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3大よくある「日本人の誤解」

3大よくある「日本人の誤解」






1 「アトムを創ったのはお茶の水博士」





01.png




アトムの欠陥に基づく損害について、
お茶の水博士に製造物責任を問うには、
同博士が引き取ってからの対応が
「業として加工」(製造物責任法2Ⅲ①)
に当たるかについて、
慎重に検討する必要がある。




















2 「緑の服を着た小男が『ゼルダ』」






02.png



シニフィアン(意味しているもの)と
シニフィエ(意味されているもの)を
きちんとリンクさせることは、
正しい事実認定の大前提です。



















3 「請求書送るだけで債権の時効中断ができる」




学部の民法の講義で
当たり前に習うことなのに
この間違い、実は非常に多い。









03.png




現行の147条1号の「請求」が
「裁判上の請求」その他を意味していることは
確かに文言からはわかりにくいけど
会社の相談受ける人なら知らんとやばい。




時効制度は今回の民法改正で
時効期間や各概念の名称が
結構変わります。


ご相談は最寄りの
比較的ちゃんとしてそうな専門家まで。





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包囲網

こんにちわ。



最近、リアルで初対面の人に
「実際お会いすると、
ブログのイラストで見るよりも
シュッとしてはるんですね」
と言われなくなった
中村真です。







さて、問題です。







inc01.png


(制限時間2分)






ぜひ漢字で書いてください。























inc02.png
































さて正解は。





inc03.png













実はここ最近、
準備書面など民事の手続の書面で
「囲まれている方の土地」を
「囲繞地」と書いているもの

複数目にすることがありました。




民法の口語化の作業の際、
条文から「囲繞地」
という言葉が消え、
「他の土地に囲まれて
公道に通じない土地」
(民法210条1項)
という表現に
置き換えられたからでしょうか。




ともあれ、これは
明らかなミステイクです。


そして、相隣関係の事件では
囲繞地と袋地は正反対ですから
この誤りは重大かつ深刻です。






inc04.png








「囲」は「囲む(かこむ)」であり
「囲繞」は(「いじょう」とも読みますが)
「取り囲むこと」
という意味です。


じゃ
「繞」(にょう)は何か
ということになりますが、
例えば漢字の部首の
「にょう」にはこの漢字をあてます。


「道」→しんにょう
「魅」→きにょう
「起」→そうにょう
「颱」→ふうにょう


などの「にょう」で、これも
「何かの周りに配置する」
という意味があります。


そう考えると、
「囲繞地」=「周りで
取り囲んでいる方の土地」
というのは、
非常に自然に
導かれる理解です。









ところで、冒頭で
「民事上」とわざわざ書いたのには
少し理由があります。

















実は、ややこしいことに
刑事事件では
塀や門扉に囲まれている土地を
「囲繞地」と表現することがあります。
(住居侵入罪の構成要件に関連して)


これは建物敷地の一筆の土地の中で
建物が建っている部分の周りを
取り囲んでいる土地
という意味
で「囲繞」という語が
使われており、
門や塀等で「囲まれている」ことを
根拠としているものではありません。
(最判昭和51.3.4)

なので、「囲繞=周囲を取り囲むこと」
という言葉の使い方としては
間違っていないのですが、
民事上の問題のように
二筆以上の「取り囲む土地」と
「取り囲まれる土地」が
問題となる場面ではありません。

そして、
住居侵入罪の客体となる要素の一つとして
外部との境界上に
「門塀等の囲障が設置されていること」が
取り上げられていることから、
「門塀等に囲まれている土地」が
囲繞地と呼ばれる形になっています。



いずれにせよ
やはり訴状や答弁書、準備書面で
「囲まれている方の土地」を
囲繞地と表現することが
正当化されるわけではありません。














inc06.png





とはいえ、ですよ?




その一方で、
「囲まれている方の土地」を
「袋地」と表現するのも
個人的には
違和感があります。

「袋」とは普通
「布や皮、紙などで作ったいれもの」を
意味します。


それゆえ
「袋」には必ず
ものを出し入れする
「口」が存在するはずで、
普通、この「口」がないものを
「袋」とは呼びません。




例えば紙の袋である封筒は
中にものを入れてから
封緘することで、形状的に
入り口は無くなるわけですが、
それは「口を閉じた」
というだけの話であり、
「袋(封筒)」の要素として
「口」があることと
何ら矛盾するものではありません。


そしてこの「口」があるという点が、
「公道に接する部分
(公道とのチャネル)がない」という
囲まれた土地の意味との間に
大きなキャズム(溝)を生んでいるのです。




そもそも「袋」と中身は違うでしょう?




中にお菓子が入っている袋
があったとして、
「袋だけチョーダイ」って言って
中のお菓子を取っていったら、
さすがに怒られるでしょう?




違う?


僕また
どうでもいいこと言ってる?







だから、
「袋地」じゃなくて
「閉塞地」(=閉ざされて塞がった土地)
っていうのが
しっくりくるような気がします。


今回のこれ、
今年のノーベル法学賞
狙えるんじゃない?



といいつつも、
「他の土地に囲まれて
公道に通じない土地」を
囲繞地だと誤解する人がこの世界から
いなくなればいいなと思っています。
(誤解が解ければいいなという意味です。)





 inc06




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いきつけ(後編)

前回の続き。

前回は私の行きつけのお店の紹介と、
皆さんにも是非利用してもらいたいという
崇高なお話でした。





なぜ一太郎なのか?

なぜジャストシステムなのか?

でしたね。

他にはなかったかと思います。




まず最初に、
問題の本質を
確認しておきましょう。


















w02-01(02).png

※イラストはイメージです。



Microsoft Word




うーん、Word…、
まぁ、悪くはないよね。




でも、良くはないでしょ?




問題点はいくつでも挙げられます。
いくつでも挙げられますが、
ここでは重要なものだけ。










① 揃わず、設定もしにくいインデント



w02-02(02).png

※イラストはイメージです。




Pフォントでもないのに、
なぜか奇妙にずれる行頭と改行頭。

ルーラーでは揃ってるのか揃ってないのか
よくわからない上、
右クリックメニューの「段落」で
設定しようにも、
単位が「字」になってたり
「mm」になってたり。

極めつけは
「字下げ」と「ぶら下げ」という
直感的に理解しにくい
独自の用語使い。


まあ「字下げ」くらいは
普通にいうのかもしれませんが。

「ぶら下げ」ってなんだよ。


「ぶら下げ」ってなんだよ。



7,000歩譲って、
設定の操作が
しにくいってのはまだ判る。

一太郎だと
「Shift + Ctrl + F(又はD)」で
容易かつダイレクトに
(無駄なウィンドウやダイアログを開かずに)
設定できるんだけど、
それはおいておくとして。




設定しても
きっちり揃わない
のが問題。


例えば、飲み会誘って
A君「ごめん、行けそうにないわ」
B君「行けたら行く」
C君「ありがとう!絶対行く!」
って返事のときに、
3人とも欠席したとしたら、
一番腹立つのは
間違いなくC君です。

設定項目はあるのに
うまく機能しないのはなんで?
昔からWindowsがそうだったから?


Pフォントでもないのに、
Pフォントみたいな
詰め込みました感。
それで割を食う改行頭。

ガッタガタやん。
リアス式海岸か。








② 不安定な挙動





w02-03.png

※イラストはイメージです。


「応答なし」になる割合、
高くない?





週1位の割合で、
結構な作業時間が無駄になって
悶絶するんだけど。


マシンスペックのせい?
OSのせい?
バージョンのせい?
でも、一太郎では
そういうことないんよ?


まったく、理外のフリーズ親和性。



「ハードウェア
グラフィックアクセラレータを
無効にしたら、
フリーズが
治まったワァ(´∀`艸)♡」


っていう反応が、
少しおかしいと気付けるだけの
心の余裕は持とうよ!





③ 激変するインターフェース





w02-04.png

※イラストはイメージです。


バージョンに合わせて
兇悪なまでに激変する
インターフェースで
常に新鮮な気持ちで
操作が覚えられるってことですか。
そうですか。


ユーザーなのに、
バージョン間での
スイッチングコストを
高めに設定するという
全く斬新過ぎる発想。


しかも、
良く変わるんならまだしも、
「デザイン」と「レイアウト」という
区別のつきにくいカテゴライズが
なされているかと思えば、
「ホーム」に「スタイル」という
これまたわかりにくい項目が
全く別に入れられていたり。






こういうこと言い出すと必ず…




w01-01(02).png





「こうやればちゃんと使えるよ」
「こうしてこうすれば、
設定できるんよ」
という
ありがたい意見。



そうかもしれん。
確かにそうかもしれんが、
ソフトの使いやすさというのは
相対的に判断するもの
でしょう?




違う?




僕、間違ったこと言うてる?



他にも、相対的に見て、
問題点は色々。

・文字数と行数の設定がわかりにくい。
「わかりにくい」っていうのは
さっきも書いたように、
そもそも項目ごとの整理が
直感的に判断しにくいっていうのもある。
それに、(一太郎と比べて)
ある設定の画面にたどり着くまでの
必要な操作・工数が多い。


「ちょっと行数・文字数変えたいな」
というのは、
ファイル作成の最初の最初にすることが
多いじゃないですか。



ところが、Wordは
立ち上げてから、
その設定画面に
マウスで行こうとすると、
「ホーム」の三つ隣の「レイアウト」に飛んで、
そこから「ページ設定」を
選ばないといけない。

一太郎なら既に見えている
「文書スタイル」を1回クリック。


・「遊」を書き損じたような
よくわからないフォントが
デフォルトに。

こっちは、Windows機だからってことで、
律儀に
MS明朝、MSゴシックを使ってるのに、
いきなり彗星のごとく登場した
「游明朝」とかのフォントが
いつの間にかデフォルトになっている。
なにこれ?
読めんし、書けんのやけど。

「時代小説が組めるような明朝体」?

そんなもん、書きませんが。

(ただ、游明朝フォントは
美しいので、結構好き)







それから、
いつまで経っても修正されない
不可思議な挙動の数々





w01-03(02).png




一太郎を使い続けている
身からすると、
どうにも納得できない
不安定さ、不自然さ、不可解さがあるので、
ついついWordユーザに

「なんで一太郎使わないの?
Word、気持ち悪くない?」


と聞いてしまうのは
一太郎ユーザの悪いところかもしれません。


ですが、Wordユーザの答えは
決まって
「いや、別に使ってて気にならないし」
というもの。




いや、そこは
気にしていこーよ!








w01-02.png




今年は難しかったら、
来年からでもいいから。



といいつつ、
結局Wordも使うんだけどね。

依頼者で一太郎使っている人なんて
ゼロだから。






いきつけ(前編)

今日は
私が贔屓にしているお店
のお話。


もう弁護士になって15年になりますが、
気に入って今も利用している
料理屋があります。




01–01





このお商売自体は
もう30年以上前から
されているようです。

私がお付き合いしだしたのが、
かれこれ15年前、
当時お世話になっていた先輩が
気に入って利用していたのが縁で
私も使わせてもらうようになりました。


当時は店舗も沢山あって
馴染みのお客さんも
かなり多く、
羽振りもそれなりに
よかったようです。

一度、先代の大将から、
徳島の出だということを
聞いたことがあります。



 kansou




ところが、10年くらい前からかなぁ、
輸入物の食材を使った
安価な業者
が段々と幅を効かせる
ようになってきたそうで、
次第に苦戦するようになってきたようです。

噂では、一度
その事業者から
商売でかなり不義理なことを
されたということで、
裁判沙汰に近いところまで
行ったこともあったとか。




「昔に比べて輸入物も
かなり良くなった」
っていう人は
周りにも多いんだけど、
正直、私にはよくわかりません。


商売自体はかなり縮小し、
先代がやってた事業のうち
不採算のものは手を引いて、
今はほぼお店一つで
堅実な商売をされています。



そのお店は、以前は
裁判所の方々も
好んで利用していたようで、

それが売上にも
そこそこ貢献していたようなのですが、
ある時期からぱったりと来なくなったそうです。
本当にある時期を境に。


他から聞いた話では、
裁判所の方々は、
こともあろうに

そのお店と因縁のある
海外の食材を使うお店の方
主に利用するようになったということで、
それを聞いたとき、
私は一弁護士としてというよりも、
一人の消費者として、
ひどくガッカリしたものです。



ですが、
今でもファンはそれなりにいて、
女将の魅力もそうなんですが、
出す料理の質の良さっていうのかな、
変に押しつけがましいところがなくって
それが好きだという常連さんは多いです。





01-02(02).png




かといって、
頑固に味を守っているってわけでもなくて、
いろいろと趣向を懲らしつつ、
お客さんの好みに合わせた
嫌みのないおもてなしをするところが
人気なんだと思います。










01-03.png





私もそういったところが好きで、
今でも利用させてもらっています。

どうです?
行ってみたくなりませんか?
(なるやろ、普通)



普通、自分の行きつけの店っていうと
あんまり人には教えたくないもの
じゃないですか。


でもね、私は
そのお店が潰れちゃうと
とても困るから、

是非皆さんにも
利用してもらいたいと
思っているんですよ。
























01-04.png









【一見さん向け】

※何も考えずにクリックしてください。



【常連さん向け】

※何も考えずにクリックしてください。




【学割】

※何も考えずにクリックしてください。













みなさん、購入しましたか?





何本購入しましたか?












さて、


なぜ一太郎なのか?

なぜジャストシステムなのか?

なぜ、消費者庁は徳島なのか?

次回、その答えの一端を明らかにしたいと思います。








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人工知能の先にあるもの【後編】

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私は、
人工知能学会への入会と、
日本ディープラーニング協会(JDLA)
G検定の受験を決めました。





少し説明が必要かもしれません。




最近、AI、AIと騒がれ
新聞でも人工知能関連のニュースを
見ない日はありません。

ところが、これだけ話題に上っているのに、
自分は「AI」の実体を
全く知らない
ことに気付きました。


今、「AI」という言葉が使われるとき、
それがどういう形で存在しているものなのか、
たとえば、プログラムなのか、
何らかのデータの集合の形なのか、
アルゴリズムなのか、あるいは
データ処理のデバイスを指しているのか、
それすらも全く
イメージできていなかったのです。


実体がわからないので、
なにやらたくさんのデータを使って
何かに学習させるのだということは
想像がつくものの、
当然、どうやって作られるのかも
わかりませんでした。


わからないから、
知りたくなるのです。


しかもこれから、AI関連技術は
どんどん我々の業界にも
取り入れられていくことに
なるのでしょう。






amazon01.png







そういうわけで
私は人工知能学会への入会申込を決めました。









さて、

人工知能学会は、
人工知能を扱う学会
です。

カニやトマトは扱いません。









入会することで、
人工知能の産業利用状況や
国内外の学会の動向、
最新の研究開発の情報が得られるほか、
隔月で発行している
(普通に買うとそこそこする)学会誌が
送られてきます。





人工知能学会の学会誌は、
どれも表紙が
普通の雑誌ばりにポップですが、
内容はかなり高度です。
どのくらい高度かというと、
私がほとんど理解できないくらいに
高度です。


ですが、たくさんの情報に晒されることで
人工知能に対する苦手意識が
少~しだけ薄まってきたように思います。






また、
日本ディープラーニング協会(JDLA)
深層学習(ディープラーニング)技術を
日本の産業競争力につなげていくことを意図して、
2017年6月に設立された一般社団法人で
東京大学大学院工学系研究科の
松尾豊特任准教授が理事長を務めています。




ここから、少しだけ
ディープラーニングって何?って話。
(細かい話も多いので、
興味ない方は
読み飛ばしてください。)




◆◆◆◆◆◆ディープラーニングとは(はじまり)◆◆◆◆◆◆

ディープラーニング(深層学習)は、
最近、メディアでも耳にすることが多くなりましたが、
ディープニューラルネットワーク、
つまり多階層のニューラルネットワークを用いた
機械学習の手法です。

ニューラルネットワークは、
端的に言うと、
コンピュータの中に
人間の脳神経細胞(ニューロン)を模した
ネットワークを構築する数学モデル
です。


「脳を模した」というだけあって、
学習を進めることでニューロンを模したノード間の
つながり(シナプスに相当)の結合強度が変わり、
実際に脳神経細胞に似た変化を見せます。


あと、機械学習っていうのは、
これも平たく言うと、
AIのプログラム自身が
学習する仕組み
ですね。



ディープラーニングが
大きく注目されるようになるまで、つまり、
大体2012年よりも前の機械学習では、
学習に用いる特徴量は
人間が頭をひねって考え出し、
コンピュータに入れてやらなければ
なりませんでした。

機械学習は
今よりももっと人間の手による部分が
大きかったといえるかと思います。




yaino.png




また、試行錯誤しながら、
特徴量や学習アルゴリズムをいじって
AIの推論のエラー率を
少しずつ下げていく
という方法が一般的でした。



ここで、
特徴量というのは、
あるデータがあるときに、
「そのデータのどういった部分に着目するか」
という変数のことです。



たとえば、私の売上データがここにあったとします。



驚くほど少ないなと二度見したくなりますが、
とにかく、私の売上データがあるとします。


たとえば、この売上データに含まれる
「事件の種類」や「依頼者の年齢・職業・性別・居住地」、
「依頼者の毛量」、
これらは全て特徴量だと言えます。

※私が依頼人の毛量を
データ化しているという話ではありません。
例え話です。


ところが、今期の売上げや収益性を
AIに予測させようとしたとき、
おそらく「依頼者の毛量」という特徴量は
幾らそれに着目したとしても、
私の売上や
収益性予測の精度には
ほとんど寄与しない
でしょう。




このように、
どのような特徴量を用いるかというのは
AIの推論の精度に大きく影響するのですが、
それをDLが注目されるようになるまでの
機械学習では、エンジニアが試行錯誤しながら
考案して組み込まなければならなかったのです。














ところが、DLに
自己符号化器(オートエンコーダ)という
アルゴリズムが加わり、
また、入力側から順に階層ごとに
学習していく方法をとることによって
コンピュータ自体が
データから高次の特徴量を選び出す(作り出す)
ことができるようになりました。


その結果、
手書き文字認識や画像認識の
精度が飛躍的に進歩し、
今到来しているような第3次AIブームの
大きな原動力となったのです。

(※正確には、
多層ニューラルネットワーク、DLの研究が開始された時期と、
DLが画像認識等の分野で大きな成果を出し
大きく注目されるようになった時期や事象にはズレがあります。)




◆◆◆◆◆◆ディープラーニングとは(おわり)◆◆◆◆◆◆






私自身は、
もともとDLというものを
ほとんど知りませんでした。

ただ、
「人工知能の知識をつけるために
勉強するには何か目標があった方がいい」、
「文系でも太刀打ち可能で
そこそこ実践的な資格みたいなのはないか」
と探していたところ、
日本ディープラーニング協会の
G検定(ジェネラリスト検定)というものがあるのを
知りました。



G検定は
「ディープラーニングの基礎知識を有し、
適切な活用方針を決定して
事業応用する能力を持つ人材」

のための検定です。



じゃあその具体的内容は?
果たして何が試される試験なの?




G検定のシラバスは以下の通りです。
G検定(ジェネラリスト)

【応用数学】
  線形代数
  確率・統計
【機械学習】
  機械学習の基礎
  実用的な方法論
【深層学習】
  順伝播型ネットワーク
  深層モデルのための正則化
  深層モデルのための最適化
  畳み込みネットワーク
  回帰結合型ニューラルネットワークと再帰的ネットワーク
  自己符号器
  生成モデル
  強化学習



何やらよくわからない単語が並んでいますが、
これに合格できるということは
DLについてある程度の理解が
できていると言えそうな感じ
がします。


これを読んで一旦やる気になったものの、
まだ昨年12月に第1回の検定があったばかりで
過去問も情報もほとんどありません。



ただ、協会は、
G検定受検のための
推薦図書を3冊挙げており、
これらは一通り
読んでおこうと思いました。



これから受けようと
思っている人のために、
推薦図書と試験の雑感を
以下に載せときます。





推薦図書①
『AI白書』





推薦図書の1冊目は
独立行政法人情報処理推進機構の編集による
AI白書(通称『白書』)です。







書籍版は、
白書と名の付く物の例に漏れず
腹に入れておくと
小さい銃弾なら
防げんじゃないかってくらい
分厚く、そして重いです。


内容は、AIの「技術動向」、「利用動向」、
「制度的課題への対応動向」、そして
「政策動向」に分けられています。


「わかりやすく解説します。」(Amazon商品説明)
というだけあって、
内容は、常識的な読解力があれば
数学の素養のない文系でも
一応理解は可能です。

ただ、全部で360頁もあり
情報量も非常に多いので、
途中何度か心が折れそうになります。


私は、全部読むのに
17時間16分掛かりました。


特に政策動向や、
そこで言及されている
知的財産法上の取扱い、
諸問題なんかは
検定でも出題割合多いので重要です。



持ち歩くのは重いので、
あとからKindle版を買い直しました。

書籍版の方はしばらく
鍋敷きになっていました。





推薦図書②
『人工知能は人間を超えるか
~ディープラーニングの先にあるもの~』


推薦図書の2冊目は
協会の理事長である松尾豊先生の
『人工知能は人間を超えるか
~ディープラーニングの先にあるもの~』
です。






面白いです。




内容が非常に分かりやすく面白いので、
推薦図書3冊中、もっとも読みやすいです。
G検定の勉強には、まずこの本から
という人が多いようです。


第1次、第2次AIブームの内容や終焉、
第3次AIブーム到来の契機となった
2000年代の大幅な技術革新など、
AI研究の歴史が詳しく説明されています。

また、クラスタリングの代表的手法や
機械学習の種類、
フレーム問題、シンボルグラウンディング問題など
機械学習を困難にさせてきた難問、
学習アルゴリズムの説明など、
技術的な部分にも言及しています。

特に、ディープラーニングの
機能が飛躍的に向上し、
注目されるきっかけとなった
自己符号化器(オートエンコーダ)の仕組みや、
多層の自己符号化器で
高次の特徴量を抽出する方法は
豊富な図表と分かりやすい例え話を交えて
詳しく、丁寧に解説されています。


これらの歴史や技術の部分は
検定でもよく問われます。


用語数だけで言うと
検定で出てくる用語の
だいたい4割くらいは
この本で取り上げられています。



この『人工知能は人間を超えるか
~ディープラーニングの先にあるもの~』も
Kindle版がありまして、
こちらの方が安く、しかも
表紙が『イブの時間』の
帯つきバージョンなので

全くオススメです。



















推薦図書③
『深層学習』岡谷貴之




推薦図書の3冊目は
これも協会の理事である
東北大学大学院情報科学研究科の
岡谷貴之先生の著作、
『深層学習』です。



これが私のような
根っからの文系人間には
かなりの障壁です。











頁数は180頁弱とそれほどではありません。

ただ、内容が難しい。



多層パーセプトロン、
活性化関数、誤差関数、
確率的勾配降下法(SGD)、
自己符号化器(オートエンコーダ)、
畳込みニューラルネットワーク(CNN)、
再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、
制約ボルツマンマシン(RBD)などが
数式やモデル図、
違いのよくわからない散布図の羅列などを用いて
詳しく解説されています。



書いてある意味が分からないので
正確にいうと
「詳しく解説されているんだろうな」という
イメージです。


用語や概念は
一見難しそうに見えても
理解は可能です。
ところが、具体的な処理、たとえば、
ニューラルネットワークの
調整の仕方なんかは手が付けられません。


高校の数学の記憶を呼び起こしながら
必死に理解に努めましたが、
数式については10頁目くらいで
諦めました。

後ろの方の頁には、
見たことない変な記号が入った
数式が載っています。



この本を読み始めたときには
もう検定の受講料を支払ってしまっていたので
少し後悔しました。




g-benkyou.png




ところが、数式については、
G検定ではそれほど深い理解は求められていない

ということも知ってはいたので、
とりあえず、概念を押さえておけば
いいかなと割り切りました。


データサイエンティストや
エンジニアになるわけじゃないからね。
ほら、ジェネラリストだから!



★なお、6/16の検定では、
数式を用いた出題は
①学習済みパーセプトロンの定式とサンプルをもとに
クラス分け(0か1か)をさせるもの
②簡単な偏微分をさせるもの
の2題くらいです。



この『深層学習』には
検定を受ける上で必要な用語や
処理の仕方の説明
(学習済みモデルで誤差が生じたときに
どういう方法でそれを減らしていくのか、とか)が
かなり多く出てくるので、
数式は読み飛ばしつつも、
一度は一通り目を通しておく
必要がある
と思います。


そんなわけで、推薦図書3冊に
なんとか一通り目を通したあたりで
検定当日がやってきました。


G検定は自宅のパソコンで受けられる
CBT試験です。
自宅だったら推薦図書も見られるし、
分からない用語はネットで調べられるじゃん、
と思うかもしれません。

ですが、120分で228問を解こうと思うと
1問当たりに掛けられる時間は
30秒ほどなので
いちいち問題を前に調べる余裕はありません。

CBT試験であるために
わざと問題数を多くして
タイトにしているのかなとも思います。


結局、
ある程度の知識は、
頭の引き出しに入っている状態にして、
それを問題を前に
リズミカルに出していけるように
できなければ難しいかなと思いました。


あと、JDLAのウェブサイトに出ていた
例題のなかから、ほぼそのままの形で
1問出題がありました。

例題のチェックは必須です。








kekka8.png









自己採点はしていませんが
多分正答率は7割くらいでしょうか。

第2回の総受験者数は1,988名で
そのうち合格者は1,136名
だったということでした。








受かったからこそ
偉そうに書けることって
あるよね?







それと同時に、
少し知ったからこそ
分かることというものも
あります。



我々の業界では、
「弁護士業やコンサルタント業務は
AIに取って代わられることはない」
という
見方が今は優勢のようです。

その根拠として言われることは
色々ありますが、よく聞かれるのは
「人を相手にする仕事である以上、
人の悩みを聞き、アドバイスをして
安心感を与え、信頼を得るには
マシンではなく人である必要がある」
というものです。






…本当にそうか?





安心感や信頼というものは、
結果や具体的な成果に
裏打ちされて、
初めて生まれるものだと思うのよ。


ときどき、相談してる側が
不安になるくらい
頼りない専門家っているでしょ。
そんな人を「人」であるからといって
信頼する依頼者はいないのよ。

そこに、
相談者が思いつきそうな問いには
瞬時に答えられ、
具体的な勝率まではじき出せる
AI弁護士がいたとしたら?
そういった経験が
当たり前のものになったとしたら?



そうなると、
「人」がマシンより
優位に立てる根拠が
いよいよ乏しくなってくるよね。
正確な情報や推論を弾き出す能力は
そのうちAIに大きく水をあけられそうだしね。


そういう意味で、
弁護士やその他の専門職といえども、
「AIに代替されることはなさそうだ」
なんて言ってられない時代が
もうすぐそこまで来ていると思いますのよ。







kiroro.png





shutdown01.png









幸い(?)
音声認識は近時精度が上がったとはいえ、
まだまだ改善の余地があると思いますね。









あと、
「今後は『AI対ヒト』ではなく
『AIを使いこなせる人対使いこなせない人』
という図式になっていく」
っていう
研究者の方は多いです。

今後10年くらいは確かに
そうなるんじゃないかなと思うんだけど、
それより先になると、AI技術が
競争優位になり得ないくらい普及して、
結局そこからはやっぱり
「AI対ヒト」の図式になっていくんじゃないのかなと、
結局、当初の不安は残ったままです。



そんなわけで、
私は今まで通り、
街でPepperを見かけたときには
挨拶を続けようと思います。




pepper.png






最後に、AI関連で
最近面白いと思ったものを
二つほど。







『イブの時間 劇場版』は
今、Amazonプライムでも
無料で見られます。

AIを積んだ
人間そっくりのアンドロイドが
普及した世の中が舞台で、
ロボットとヒトとの交流が
登場人物の生活を通して
色々な形で描かれます。

勉強に疲れたときに見ると
良い気分転換にもなります。








こちらはPS4のゲームですが、
これもアンドロイドが普及した
未来のデトロイトが舞台です。
3人(体)のアンドロイドを主人公に、
雇用問題や人間へ反旗を翻す
アンドロイドといった
AI関連でよく話題となる未来の問題が
描かれています。

チューリングテストや
「トロッコ問題」など
G検定でも若干関わりのある話題が出てきますが
それ以上に、グラフィックや舞台設定、
プレイヤーの選択で
どんどんと分岐していくストーリーの秀逸さ
に引き込まれます。





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プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。当職が出資したクラウドファンディングはたいてい頓挫します。

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