わかりやすい管財人の報告

「本日付の報告書の記載通りです」で済むだろう思って集会に出たら
予想外に債権者の方々が多数出席されてて
裁判所から「それでは管財人から業務の報告を」ととっさに言われ
うろたえて脇汗の沼を作るというのは
管財事件ではよくあること。

で、第一回でいろいろ突っ込まれたので
詳細な報告の進行表を作って
軽くリハーサルもして第二回集会に臨んだのに
ほとんど債権者来てなくて
今度は涙の川を作るというのも管財事件ではよくあること。

ともあれ、破産の集会に来られる債権者は
金融機関の担当者ばかりとは限らず、
中には「なけなしの売掛債権や貸付債権が焦げ付いた」という
個人事業者や個人の方もおられます。
そして、これらの債権者に対しても
破産財団の状況や今後の進捗を
わかりやすく伝えるというのは
管財人の重要な責務であると思います。

ところが、破産管財事件では、
別除権や交付要求、否認権などのほか
国際破産管轄における「逆推知説」
コミットメント・ライン契約(特定融資枠契約)
内外人完全平等主義といった難解な用語が
少なくありません。
(私も後ろの3つは知りません。)

そのため、報告書面や集会期日での口頭の説明でも、
できるだけわかりやすく報告する努力
必要だと思うのですがいかがでしょうか。

たとえば、集会での報告のうち、
わかりにくい部分については紙芝居を用いるなどということも
可能性の一つとして考えられると思います。

kamishibai.jpg

なお、いくらわかりやすくするためとはいえ
破産の集会で紙芝居を使うなどというのは論外ですが、
ただでさえヤヤコシイ用語や言い回しの多い
この業界に身を置く我々としては、
意識的にわかりやすさを追求する心がけが
必要ではないでしょうか。

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テーマ : 弁護士の仕事
ジャンル : 就職・お仕事

管財事件の落とし穴

先日、破産管財事件の現地調査で
車で2時間ほどのところにある
とある破産会社(水産加工会社)に行ってきました。

現地調査っていっても、
不動産の現況調査と動産・機械類の有無の確認、
それとリース物件引き上げの立会が目的なのですが、
動産類の査定の方は同行した業者の方がやってくれるので、
リース物件の引き上げが終わっちゃうと
私ができることは無くなりました。
(現地では管財人は無力です。)

仕方ないので、
従業員が脱ぎ捨てていったゴム長を並べてみたり
床の魚油で滑って転びそうになったりしてると、
もういいと思われてしまったのか、
業者の方から「先生、こっちはやっときますし、
汚れますからいいですよ」
との温かいお言葉を頂きました。

現地調査では、
破産管財人は責任者なので居ないと困るけど、
居たら居たで大して役には立たないという
まこと、ファミレスの料理に添えられたパセリのような存在です。

ふと見ると、工場兼倉庫の大きな引き戸が開いていたので
何か管財人発見の資産が無いかなと思って
中を探検確認することにしました。

中はテニスコートをタテに2面くらい並べられる位の広い倉庫でしたが、
奥へ奥へと進んでいると潮でサビサビの古いフォークリフトが。
目録に上がっていない車両かも知れないと思って
気持ちよく写真を撮っていると、
入口の方で何か音がしてトビラが閉められてしまいました。

閉じ込められたら大変と
入口まで走って行ってトビラを横に引いてみると
どうにか5センチほどは開いたのですが、
隙間からは鎖と南京錠が見えるだけで、
どうしてもそれ以上開かず、
既に閉じ込められたことがわかりました

考えると失礼な話ですが、
誰も私が倉庫に入っていくところを見ていないのです。

最初に頭をよぎったのは
「管財人というか、いい大人なのに
中に閉じ込められて助けを求めるのはいかにも恥ずかしい」

という思いでしたが、
倉庫の中は暗く足場も不安定で、
探したけれどもほかの出口も見当たりませんでした。

おまけに携帯が圏外だったので、
さすがにこれはいかんと気付き、
結局、恥を忍んで隙間から右の手の平を出して
「あけてー!あけてー!中におるよー!」と叫び続けていたら、
社長の奥さんが気付いてくれて開けてもらえました。
お腹から声を出したのが良かったみたいです。
(多分、閉めたのもこの人だったと思うのですが、
基本的には感謝しています。)

souko.jpg

破産の現地調査の際に、
管財人が倉庫に閉じ込められるという話自体はよく聞くのですが、
まさか自分がその立場になるとは思ってもみなかったので
少々焦りました。

帰って事務員さんに話をしたところ、
次からは首からホイッスルを提げて行けばよいと。
賢いなぁ。

それよりも今回私が訴えたいのは、
「管財人発見を狙った管財人自身が発見されなくなる」という
そういう恐ろしい事態が
どのような管財事件でも起こりうるということです。

今回のこと一つをとってみても
管財事件は難しい問題が多いと
改めて感じさせられました。

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プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。自宅マンションに鳩が来るのが悩みです。

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