【役立つ!】賃借物件と競売後の居住継続について

最近ちょっと聞かれることがあったので、
知識として整理を。

賃貸でマンションに住んでいたところ、
オーナーの資金繰りが思わしくなかったのか、
抵当権が実行されてマンションが競売されることになった
、とする。

このとき、競売でオーナーが変わった場合、
住んでる側としては気になるのが、
①このまま住み続けることはできるのか
②退去時、敷金は新オーナーから返してもらえるのか

という点。

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1 賃貸借契約の主張の可否

まず、①については「賃貸借契約の対抗要件(借地借家法31条1項)を
備えたとき(一般的には物件の引渡し時)」

「担保権(抵当権)の登記を備えたとき」のどちらが先かによって異なる。
賃借物件の引渡が先で登記があとの場合、
つまり、「借りてる物件にあとから抵当権が設定された」ような場合、
賃借権が抵当権に優先するので、競落された後も新オーナーに賃貸借契約を主張できる。
なので、住み続けることは可能。

ただ、マンションに設定されている担保権は
たいていオーナー自身が購入した際の住宅ローンとか建築費用の
借り入れのためのものなので、
多くの場合、賃貸借契約を締結したときには
すでに抵当権の設定登記がなされてしまっているはず。

そして、その賃貸借契約が平成16年4月1日以降に締結されたものである場合
いわゆる「短期賃貸借の保護」が適用されないので(民法395条の改正)、
競落人(新オーナー)に対しても賃貸借契約を対抗できない。
つまり明け渡しを請求されたら拒めないわけだ。
もっとも、賃借人保護のため
競落のとき(正確には「買受けの時」)から6ヶ月間は引渡猶予の制度がある
(民法395条1項。ただし、当然この間の賃料の支払義務はある。)。

2 敷金返還債務の承継の有無
物件が競落されたときで、
かつ賃貸借契約を新所有者に対抗できない場合には、
敷金の引継ぎも生じない
なので、こういう場合、競売手続においても、
敷金返還債務の負担はないものとして物件評価が行われることになる。

で、先に書いたように、
平成16年4月1日以降締結の賃貸借契約では、
多くの場合競落人に賃貸借契約を対抗できないので(物件引渡と登記の先後関係から)、
実際上は、賃借しているマンションの所有者が競売によって変更された場合は、
新オーナーには敷金の返還請求はできない場合がほとんど
と思われる。

この点、最高裁昭和44年7月17日判決(例の「所有権移転と敷金返還債務の移転」の判例)を根拠に
「競売の場合でも敷金返還債務は必ず競落人に承継される!」って
平気で書いてる人とかいるので注意が必要

要するに、44年判例の射程の問題なわけなんだけど、
賃貸借契約自体競落人に対抗できないのに
これに付随する敷金返還債務が承継されるって考えること自体が不自然だと思う。

競落人(新オーナー)に敷金返還請求できない場合には、
当然旧オーナーには返還請求できるんだけど、
結局、競売されるような旧オーナーには充分な資力がない場合が多いよね。

ってことで、結局
抵当権を設定されている物件を賃借するということは、
自分のあずかり知らぬ事情で、
突然「6ヶ月後には出ていってもらう!」と言われたり
賃貸人に預けた敷金が返って来なくなったりするというリスクがあるわけだ。
みんな、通常は契約の際にここまで意識することはないだろうけど。


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ストレスとの戦い

前にも書いたけど、
弁護士という仕事は他人(依頼者)の問題や争いごとを
代わって引き受けるという側面が強い。
(相手方からも「他人の揉め事に首を突っ込んできた奴」という
反応をされることが多いけど、これはある意味正しいよね。)

なので、ややこしい相手方と怒鳴られながら交渉したり、
場合によっては、法的・道義的責任の追求の矢面に立つということも
少なからずある。

また、案件の内容や問題が極めてシビアな場合や
見通しが立てにくい事件の場合、
絶えず自分のやり方が正しいのかどうかを考えながら、
弁護過誤にならないように慎重にことを進めなければいけないので
(しかも、大抵の場合、ゆっくり考えるだけの時間的余裕が無い。)、
その心理的負担は結構大きい。

もちろん、どんな職種でも
自分の仕事の結果が及ぼす影響っていうプレッシャーと常に戦ってるわけで
その大きさも様々なわけだけど、
「他人の人生を左右する可能性がある」
仕事っていうのは一風変わったストレスの掛かり方がある気がするのよね。

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また、「他人と争う」ことが仕事なわけで
闘争心が弱い(=逃走心が強い)人だと、
なかなか大変なんじゃないかと思う。

でも、仕事の重圧に耐えられずに弁護士辞めたっていう話は
実はあんまり聞いたことがないので、
大抵の弁護士はストレスの受け止め方とか、
切り替え方、うまい付き合い方を自分なりに考えてやって行ってるんだろうね。
不祥事とか売上が立たないとかで辞めちゃう話はそこそこ聞くけど…)

実はこういう部分が広い意味で仕事に役立ったりするわけで、
先輩弁護士とかと飲むときにも、このへんを聞いてみたりすることが多い。



自分の場合のストレス解消法は、今はこのブログかもしれない。

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【役立つ!】手形不渡と銀行取引停止処分

一般に2度、手形(約束手形)の不渡を出すと倒産と言われる。
これは、2度の不渡で銀行取引停止処分がなされ、
2年間は当座預金取引ができなくなることによる
(つまり、事実上現金取引しかできなくなる。)
もちろん、金融機関からの借入も不可。

その結果、仕入れや各種の支払いが困難となるため、
「2度の不渡→倒産」と言われる。

但し、この「銀行取引停止処分」は厳密に言うと、
1度目の不渡があってから6ヶ月以内に2度目の不渡を出した場合
なので、2度目の不渡が1度目から半年以上経って起こった場合には
銀行取引停止処分にはならない。

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じゃあ、同じ満期日の手形が2枚あって、
それらが同時に不渡になったら
、不渡は1回としてカウントするのか、
それとも2回としてカウントするのか。

これについて金融機関に確認したところ、
同じ日に出た不渡手形が何枚あっても
「1度」とカウントする
とのこと。
なので、この場合はまだセーフということになる。

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すみません。

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とか言ってみたい。

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思わず地図を確認したりって、あるよね?

少なくとも2年に1回くらいは
親戚の集まりに顔出してたほうがいいと思った。

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祖父自身はもうだいぶん前に亡くなってんだけどね。

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プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。自宅マンションに鳩が来るのが悩みです。

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