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【役立つ!】破産と相続財産管理での任意売却の違い

例えば、破産管財事件でいわゆる「オーバーローン物件」
任意売却しようとする場合、
売却代金の数パーセントを財団組入させるのが一般的な取り扱いです。

オーバーローンということは
担保競売しても担保権者に全額弁済できない状態なわけですが、
そんな場合でも任意売却をすることにより
担保権者にとっては、
①競売手続よりも費用も時間も抑えられる
②(一般に)競売での落札よりも高額での売却が可能となる(回収率が上がる)
③担保不動産のスムーズな明渡しが期待できる

というメリットがあります。

ところが、破産管財人としては、
任意売却をするには、少なくとも、
担保不動産の査定、仲介業者の選定、売り側司法書士との協議、
担保権者(場合によっては後順位も)等との協議、
そして破産裁判所への許可申請が必要となります。
(破産者の意見聴取(破産法78条6項)なんてのもあったりする。)

これらの相応に手間のかかるお膳立てをしても、
「オーバーローンだから(剰余がないから)売れても破産財団には回らないよ」
というのでは、なかなか破産管財人としても
任意売却に対するインセンティブが働かない。
「面倒な手続とるメリット無いなら競売でいいや」ってことになるもんね。

そこで(というわけかどうかしらないけど)
実務では、破産管財事件の任意売却のときには
「たとえオーバーローンでも、任売するなら売却代金のうち
数パーセントは破産財団に組み入れさせなさいよ」とされている。

これによって破産財団としても任意売却により
財団の増殖が可能になるので、
「いっちょやってみようか」という気にもなるわけだ。
また、担保権者も数パーセントの組入をしても競売よりは利益が見込める。
(というか、「組み入れても利益が見込める場合に
任売と組入に同意する」という方が正確か)

じゃあ、この「任売の際の財団組入」って法的根拠はあるのでしょうか?

この点、任意売却自体については破産法78条で定めが置かれてるけど、
その際の財団組入の法的根拠については、
ずいぶん調べてみたけど、少なくとも条文上ストレートな根拠は無いみたい。

なお、「大コンメンタール破産法」(青林書院)では、
「…旧法下の実務では売主である破産管財人、買主及び別除権者の合意により
任意売却、売却代金の別除権者に対する弁済及び担保権の消滅(抹消)を一括
して行い、その際売却代金の一部を破産財団に組み入れて破産債権者に対する
配当の原資とするという運用が広く定着していたといわれており、新破産法の
下でもこのような運用が引き続き行われている。」

とされています。
だから、「なぜ組み入れなきゃいけないの?」という問いには
「そういう運用だから」という答えになりそうです。

ちなみに、大阪地方裁判所では
「不動産の売却価格の5パーセントから
10パーセント程度を財団に組み入れる運用」であり、
どのような事情があっても
実質的な財団組入額が売却価格の3パーセントを下回る
場合には、当該不動産の任意売却は許可しない方針である。」とされています。
(新日本法規「新版破産管財手続の運用と書式」133頁)

個人的には、この「どのような事情があっても許可しない」という強気の表現が、
大阪地裁第6民事部のプロ意識と威圧感が感じられて大好きです。

kumiire.jpg


ともあれ、このように先人の知恵により生み出された
「財団組入」という「運用」。

では、同じように不動産の任意売却が必要となる
相続財産管理人の事件ではどうか?

この点について、家裁の後見・財産管理係の担当書記官に質問したところ、
相続財産管理事件の場合の任意売却では
「相続財産への組入」というのは考えないのが一般的
みたい。
つまり、相続財産管理人としては、
財産自体の増殖は考えずに粛々と不動産の処分を行うということでいいらしい。

まぁ、それでも競売してもらうよりは財産処分は早く進むし、
担保権者としても良い値で売れるわけだから、
人類全体で見るとメリットがないわけじゃないんですが、
どうしても管財人的な考え方が染みついている自分としては
「わざわざ動くのに相続財産にとってメリットないんじゃなぁ…」
とつい考えてしまいます。

そこで、勢い余って書記官さんに
「それって、つまり破産と違って、
純粋に、相続債権者のために、それこそ好意で、
任売をしてあげるということになりますよね?」と聞いたら
「そうですね(笑)」と(^^;)。

破産の場合も「運用」が根拠なんだったら、
相続財産管理の場合も、担保権者と合意して
相続財産に「組み入れ」してもらうという選択も
あって良いように思うんですが、
何かにつけて横並びが好きな純日本人の私としては
家庭裁判所の意向どおりに動くわけです。

なんで破産と財産管理とでここまで運用が違うのかということですが、
一つ考えられるのは、財産管理の場合、破産ほど強烈に
「弁済原資(相続財産)を増殖しなければ!」的な
共通認識が無いからなのかなぁと思ったりもします。
債権者がいる点では破産も財産管理も一緒なんだけどね。

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なでしこジャパン

なでしこジャパンがワールドカップで優勝ですってね。
サッカーは正直よくわからないのですが
すばらしい快挙だということはよくわかります。

football.jpg


おめでとう(^^)/

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夏場の期日指定

裁判では毎回、期日の終わりに、
毎回当事者双方と裁判所が協議して次回期日を指定します。
J「7月28日の木曜日午前はいかがですか?」
B「差し支えです。できれば午後遅い時間帯のほうが…。」
J「では4時。」
B「お請けします。」
というやつ。

ちなみに私は、実務修習始まって
結構経つまで「お請けします。」を
「OKします。」だと思ってて、
あんなにフランクな感じで許されるんだと驚いたものでした。

冗談はさておき、裁判所は毎年7月21日~8月31日にかけて
「夏期休廷期間」というものを設定しています。
合計で約40日間、6週間弱の期間になりますが、
この間、部や係ごとにそれぞれずらして3週間くらいずつ休みをとります。
(だいたい前半(7/21~8/10)と後半(8/11~8/31)とに分かれてるみたい。)

もっとも、裁判所や部自体を休みにするわけにはいかないので、
職員さんは交替で出てきています。
なので休廷期間中でも電話をすれば誰かが出るし、
書面の提出も問題なくできる。

ただ、この休廷期間の間はまったく期日を入れることができません

そのため、あんまり事件を寝かせておきたくない裁判官としては、
ちょっとムリめな感じでも休廷期間前に次回期日を入れようとしたりします。
これがタイトな日程で書面を書きたくない弁護士にとってはなかなかしんどい面がある。

特に7月に証拠調べをやって、次回期日には終結予定なんて場合には、
期日間に尋問調書の謄写と検討最終準備書面の起案・提出をせねばならんので、
次回期日までにちょっと長めに時間を空けて欲しいときが多い。

ところが、裁判官としては尋問の結果心証が固まっちゃってることも多く、
そんなときはリゾート気分丸出し顔で
「いいから早く結審しようぜ。夏だし。」みたいなノリで
かなり近めに期日を指定しようとします。

こういう部分のせめぎ合いが夏前~夏中頃にはよくあるのです。

kyuutei.jpg

それでなくても、7月末~盆前後は
弁護士自身も自分の夏休み前のいろいろな追い込みの時期(金銭面含む。)
ただでさえ仕事が詰まってくる時期に当たるという事情もあるわけです。
そんなこんなで、この時期の弁護士は
南国の海に想いを馳せながら
日々残業に精を出すというのが夏の風物詩的な情景です。
(もしかしたら俺だけかもしれません。)

ちなみに、当然のことながら、
休廷期間明けには、期間前に入れられなかった事件の期日が集中するので、
8月下旬~9月も裁判所は結構忙しかったりします。


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ウチも暑いんやで、わかってる?

こんにちわ、
絶えず身のまわりで
何かの作動音がしていないと
なんとなく落ち着かない
中村です。

うちの事務所の入っているビルも、
とうとう今週から節電ですよ。
朝来たら、廊下の照明がかなり抑えられていました。

setsuden05.jpg

裁判所もやっぱり暑いんですが、
最近は関西も廊下が薄暗くなってて
気持ち的にひんやりしてイイ感じです。
その割に、弁論準備とかで入る準備室や裁判官室は
ムワッとくる感じ…。

やっぱり節電は大事だよね。
みんなはもうパソコン切った?


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Let's節電!

節約できるものは何でもする。
たとえそれが電気であっても。

setsuden04.jpg

本当はみんな、節電したいんでしょう?


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プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。当職が出資したクラウドファンディングはたいてい頓挫します。

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