弁護士の領収証と収入印紙について

仕事で領収証を発行するとき、
ときどき聞かれるのが
「印紙は貼ってもらわなくていいんですか?」
ということ。

私も弁護士歴がそこそこ長くなってきましたので、
事件によっては(あくまで事件によってはですが)、
5000万円程度の弁護士報酬の領収書をきることもあったり
するような仕事ぶりでありたいものだと
常々思っております。

また、世間的には
「額面3万円以上の領収証には印紙の貼用が必要」
っていう一般的な認識があるようです。

では、3万円以上の着手金や報酬金を受領する際、
その領収証に印紙の貼用は必要でしょうか?

結論から言うと、必要ありません

そもそも、印紙税が課される文書というものは法定されておりまして
印紙税法別表第一記載の20の類型の文書に限定されています(印紙税法2条)。

そして、金銭の領収証は、
この別表第一記載の各文書のうち
17号文書(「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」)に当たります。

もっとも、この「別表第一」では、
この「受取書」に当たる場合でも
「記載された受取金額が3万円未満のもの」のほか、
「営業に関しない受取書」については非課税とされています。

では、どういう場合が「営業に関しない受取書」になるかという話ですが、
これは印紙税基本通達の「第17号文書」の26項で
「弁護士…(中略)…がその業務上作成する受取書は、
営業に関しない受取書として取り扱う。」
とされています。

この「営業に関しないものとして取り扱う。」とされる意味がよくわかりませんが、
これは弁護士に限らず、弁理士、公認会計士、税理士といった各士業や
医療関係の資格者(医師、歯科技工士、看護師等)についても
同様の取扱を行うものとされています。

このため、弁護士の領収証には印紙の貼用は不要という結論になります。

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まぁ、受取書の場合の印紙税は発行者が負担するものなので、
仮に課税文書に当たるとしても
依頼者には関係ないんですが。

ただ、この印紙税というものについては、
なぜ文書を作成したことについてまで
税金を課されなければならないのかという
根源的なところでの違和感が拭えません。

あと、消費にかかる税金が消費税、
所得にかかる税金が所得税、
事業にかかる税金が事業税なのであれば、
文書作成にかかる税金は本来、文書作成税ではないかと。
印紙なんてあくまでも納税の手段ではないかと、そう思うのです。

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新年明けましておめでとうございます。

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明けましておめでたいんだかおめでたくないんだか。
とにかく2012年の業務が開始してしまいました。
初日から8時まで仕事するなんて、
全く仕事の鬼もいいところだぜ!


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かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。自宅マンションに鳩が来るのが悩みです。

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