たたかうということ
わたしが考える
「弁護士という仕事の特殊性」の一つに
仕事上、「敵とたたかう」ことが
当然に予定されているという点があります。
少なくとも日本に限っていえば、
誰かを敵であると明確に認識して
争うような仕事って少ないと思うんですよね。
もちろん、取引先や交渉の相手方など
そもそも対立関係にない人とも関わることはありますし、
逆に予防法務のように紛争の芽を摘む仕事も重要だとは思います。
しかし、
「争訟」や「攻撃防御方法」という語にも如実に表れているように、
やはり弁護士は闘うことを予定され、
また期待されていると思うのです。
(実際はそうじゃないかもしれないけど、
そっちの方に話を持って行きたい。)
そのため、弁護士としては
一定以上の闘争心を備えていることが絶対に必要であり、
これが無い人はやっぱり一人前とはいえないのですよ。
例えば、自分は徹底的に争って欲しいと思っているのに、
依頼した弁護士がそのような処理に消極的で
不本意な和解や示談による解決を勧めてきたとしたら
依頼者の方はどう思うでしょうか?

きっと、その依頼者は、
「この弁護士は裁判や尋問をしたくないために、
ヤヤコシイ相手方との交渉を続けたくないために、
事件をなあなあで終わらせようとしているのだ」と思うでしょう。
これじゃあ信頼関係を築くどころじゃないよね?
やはり、弁護士は
アグレッシブに、前のめりに、
かつ貪欲に闘うこと
が基本なのではないでしょうか。

もちろん、
紛争状態にある当事者の代理人として事件に関与し、
和解や示談といった穏当な解決を目指すというのも
弁護士の重要な役割の一つだと思います。
でも、感情の対立や行き違いが激しい事件であればあるほど、
和解的な解決は「一度徹底的に殴り合ったあと」でなければまとまりにくいよね。

やっぱり、闘うことを避けてたら
いい仕事はできないと思うのですよ。
あと、保全取下を和解や示談に先行してやるのは
愚の骨頂なので注意。
(よい子の弁護士は誰でも知ってるよね!)
また、和解や示談の場面でも
結局はいかに自分の側に有利で
リスクの少ない条件を設定するかっていう
せめぎ合いをしてるわけだから、
当然これもアグレッシブに臨むのが正解。

胸元にひまわりのバッジをつける以上、
闘う姿勢は忘れたくないものですね。
ただ、勘違いしてはいけないのは、
この闘争心の向け方。


「闘う姿勢」が感情的な文面や
法廷での不遜な振る舞いに現れてしまうのは
やはり間違いです。
あなたの弁護士としての評価を下げることになり、
他方、メリットはほとんどありません。
「書面は紳士的に、
戦法は攻撃的に」
というのが修習時代からの私のモットーです。
(さっき考えました。)
ところで、
東京三会や大阪といった
大規模会ではそうでもないのかもしれませんが、
兵庫くらいの規模の単位会になると、
事件の相手方代理人がよく知っている
親しい先生だということは非常によくあります。
同じ会派の先生、
別の事件で弁護団を組んでいる先生、
修習でお世話になった先生、
お金を貸してくれている先生、
過去に付き合っていた先生、
過去に婚姻関係にあった先生など
そのパターンはまさに無限大。
(みんなも考えてみよう!)
誰しも、親交のある先生とは心情的に争いにくいものですが、
ここでどのように振る舞うかという点でも
弁護士としての姿勢や格の違いが現れるように思います。
そして、
依頼者からお金をもらって仕事している身としては、
相手が誰であれ、死力を尽くして闘う必要が
あると思うんですよね。
ただ、事件を離れた部分では
きちんと切り替えて接することも、
良い人間関係を醸成する上では重要。
相手方になっている弁護士同士でも、
事件を離れた会合(弁護士会や会派の集まりなど)では
その事件の話題を意識的に避けるというのが
一つの礼儀になっているように思います。
場も白けちゃうし、せっかくの酒も不味くなるからね。
また、これまでの拙い経験を元にした
私個人の感覚なのですが、
事件の上では努めてドライに接した方が、
事件でもプライベートでも上手く行くという印象があります。

他方で、絶対にやっちゃいけないのは
弁護士としての立場を忘れて
相手方との距離を保たず、
馴れ合いの関係を作ろうとしてしまうこと。
この点は、比較的経験の浅い
若手の先生に多いように思うのですが、
相手方が「敵」であるという意識を欠くと
事件処理の上では非常に危険です。
だから、親しい先生とはいっても
一定程度距離を置くことは絶対に必要だよね。

そんなわけで、
「闘う弁護士」を目指すというのは非常に重要だと思います。
みなさん、是非、来週からでも実践してくださいな。

とはいっても、
「闘う弁護士」であり続けるというのは
口で言うほど簡単ではありません。
特に、事実関係や証拠が限られているなど、
自分側に不利な事件で闘い続けるには、
並外れた意志と努力が要求されます。
そんなときはどうしたらいいのでしょうか?
まぁ、あんまり深く考えずに頑張ったらいいんじゃないかな。多分。

やっと週末やぜ…。

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「弁護士という仕事の特殊性」の一つに
仕事上、「敵とたたかう」ことが
当然に予定されているという点があります。
少なくとも日本に限っていえば、
誰かを敵であると明確に認識して
争うような仕事って少ないと思うんですよね。
もちろん、取引先や交渉の相手方など
そもそも対立関係にない人とも関わることはありますし、
逆に予防法務のように紛争の芽を摘む仕事も重要だとは思います。
しかし、
「争訟」や「攻撃防御方法」という語にも如実に表れているように、
やはり弁護士は闘うことを予定され、
また期待されていると思うのです。
(実際はそうじゃないかもしれないけど、
そっちの方に話を持って行きたい。)
そのため、弁護士としては
一定以上の闘争心を備えていることが絶対に必要であり、
これが無い人はやっぱり一人前とはいえないのですよ。
例えば、自分は徹底的に争って欲しいと思っているのに、
依頼した弁護士がそのような処理に消極的で
不本意な和解や示談による解決を勧めてきたとしたら
依頼者の方はどう思うでしょうか?

きっと、その依頼者は、
「この弁護士は裁判や尋問をしたくないために、
ヤヤコシイ相手方との交渉を続けたくないために、
事件をなあなあで終わらせようとしているのだ」と思うでしょう。
これじゃあ信頼関係を築くどころじゃないよね?
やはり、弁護士は
アグレッシブに、前のめりに、
かつ貪欲に闘うこと
が基本なのではないでしょうか。

もちろん、
紛争状態にある当事者の代理人として事件に関与し、
和解や示談といった穏当な解決を目指すというのも
弁護士の重要な役割の一つだと思います。
でも、感情の対立や行き違いが激しい事件であればあるほど、
和解的な解決は「一度徹底的に殴り合ったあと」でなければまとまりにくいよね。

やっぱり、闘うことを避けてたら
いい仕事はできないと思うのですよ。
あと、保全取下を和解や示談に先行してやるのは
愚の骨頂なので注意。
(よい子の弁護士は誰でも知ってるよね!)
また、和解や示談の場面でも
結局はいかに自分の側に有利で
リスクの少ない条件を設定するかっていう
せめぎ合いをしてるわけだから、
当然これもアグレッシブに臨むのが正解。

胸元にひまわりのバッジをつける以上、
闘う姿勢は忘れたくないものですね。
ただ、勘違いしてはいけないのは、
この闘争心の向け方。


「闘う姿勢」が感情的な文面や
法廷での不遜な振る舞いに現れてしまうのは
やはり間違いです。
あなたの弁護士としての評価を下げることになり、
他方、メリットはほとんどありません。
「書面は紳士的に、
戦法は攻撃的に」
というのが修習時代からの私のモットーです。
(さっき考えました。)
ところで、
東京三会や大阪といった
大規模会ではそうでもないのかもしれませんが、
兵庫くらいの規模の単位会になると、
事件の相手方代理人がよく知っている
親しい先生だということは非常によくあります。
同じ会派の先生、
別の事件で弁護団を組んでいる先生、
修習でお世話になった先生、
お金を貸してくれている先生、
過去に付き合っていた先生、
過去に婚姻関係にあった先生など
そのパターンはまさに無限大。
(みんなも考えてみよう!)
誰しも、親交のある先生とは心情的に争いにくいものですが、
ここでどのように振る舞うかという点でも
弁護士としての姿勢や格の違いが現れるように思います。
そして、
依頼者からお金をもらって仕事している身としては、
相手が誰であれ、死力を尽くして闘う必要が
あると思うんですよね。
ただ、事件を離れた部分では
きちんと切り替えて接することも、
良い人間関係を醸成する上では重要。
相手方になっている弁護士同士でも、
事件を離れた会合(弁護士会や会派の集まりなど)では
その事件の話題を意識的に避けるというのが
一つの礼儀になっているように思います。
場も白けちゃうし、せっかくの酒も不味くなるからね。
また、これまでの拙い経験を元にした
私個人の感覚なのですが、
事件の上では努めてドライに接した方が、
事件でもプライベートでも上手く行くという印象があります。

他方で、絶対にやっちゃいけないのは
弁護士としての立場を忘れて
相手方との距離を保たず、
馴れ合いの関係を作ろうとしてしまうこと。
この点は、比較的経験の浅い
若手の先生に多いように思うのですが、
相手方が「敵」であるという意識を欠くと
事件処理の上では非常に危険です。
だから、親しい先生とはいっても
一定程度距離を置くことは絶対に必要だよね。

そんなわけで、
「闘う弁護士」を目指すというのは非常に重要だと思います。
みなさん、是非、来週からでも実践してくださいな。

とはいっても、
「闘う弁護士」であり続けるというのは
口で言うほど簡単ではありません。
特に、事実関係や証拠が限られているなど、
自分側に不利な事件で闘い続けるには、
並外れた意志と努力が要求されます。
そんなときはどうしたらいいのでしょうか?
まぁ、あんまり深く考えずに頑張ったらいいんじゃないかな。多分。

やっと週末やぜ…。

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