ノートパソコンと昔話
本業の仕事が忙しすぎて
このブログの更新もままなりません。
こう書くとめっちゃ儲かってるように聞こえるでしょ?
でもそんなことないのよ本当に。
とはいえ、年末が近づくと
なぜか経費支出が多くなるのは自営業者の常。
で、私は今、
持って歩く用のパソコンを買いたいなと思い
いろいろ考えているところでございます。

今のところの候補は
Let's noteとかSurface Pro 4とかなんだけど
欲しい機能や譲れないポイントを考えてると
堂々巡りで話が前に進みません。
和解の提案受けた当事者って
多分こんな感じなんだろうね。

何かを買う前にこういう感じで
いろいろ悩むのが楽しいって人も
いるんだろうけど、
私には苦痛でしかありません。
遠足の前の日の用意とかも
面倒で楽しくなかった私ですから。
「これを買え!」って
誰かに指定してもらえたらラクなんだけど。

「スペック厨」という言葉は
私のためにあるようなものです。
集めた情報の確度や
自分の取捨選択に自信が持てない
情報弱者な上、損をするのが嫌いなため、
「買った後で、『もう一つ上のグレードに
しといたら良かった』と後悔すること」を
何より恐れているのです。
そのため、CPUの種類や
メモリ・補助記憶装置の容量、
重さ、大きさなど
数字で表れる部分は
一番いいやつに飛びついてしまう
悲しい習性があるのですね。
ここでは、「実際にそれだけのスペックを
求められる場面が出てくるか」ではなく、
「万一求められたらどうしよう」という視点が重要です。
でも、そうなるとどうしても
…お値段張りますやんか。

正直、1回か2回落としたら壊れるものに
30万円以上も掛けるのは
私個人の信条に思いっきり反するので、
いま、すんでの所で購入を思いとどまっているところです。
(どうしても「30万も出したらそこそこいい
レスポールが買えるやないか」と思ってしまうのですね。)
高くて買えないとなると、
次にすることは、
買わないためのもっともらしい理由を
みつけることです。

さあ、(個人的に)楽しくなって参りました!

パソコン買うかどうかは別にして、
昔の弁護士がどうやって仕事してたのかってことは
非常に興味深いところですし、
我々現代の弁護士が知っておいて
絶対に損はありません(また、トクもありません。)。
(※なお、以下は、ブログのネタと個人的な興味のために
同じ会のある重鎮の先生
にうかがったお話をもとにしています。
不正確な部分があるとすればそれは、
全て中村個人の責任でありますが、まあ大目に見てください。)
まずここで想定しているのは、
ワープロやコピー機が登場する前の、
1960年代くらいの弁護士業務ね。
(ちなみに、司法行政文書や当事者の起案が
縦書きから横書きに変わったのは平成12年ころだったかな。
司法試験の本試が横書きに
変わったのが平成12年だったかも。
確かそれまでは私もL○Cで縦書きの答練受けてましたし。)
さすがに手書きはしてなかっただろうけど、
訴状や準備書面では当時も
正本、副本、控えが必要だったはず。
じゃあ、それらの起案はどうしてたのかという点です。
結論から言うと
当時は、タイプライターで起案していたんだけど、
日本語って仮名と漢字があるから、
普通の英文タイプライターじゃ作れないじゃないですか。
で、使っていたのが
「和文タイプライター」

これって、実際に使いそうな字が
1,000字以上活字体で用意されてて、
いちいちそれを目で選んで
紙に打ち込んでいく作業が
必要だったということです。
「瑕」とか「蓋」とか「愈」とかが
あったんだろうね。
想像するだけで目がチカチカしてきます。

この打ち込み作業は
事務員さんの重要な(というか中心的な)業務だったらしく、
弁護士が紙に手書きした原案をもとに
作っていってたようです。

ね?わくわくするでしょう?
しない?
俺はする。
紙と紙の間にカーボン紙を挟むことで、
一度に正、副、控えの3部を
打つことも出来たみたい。
(でないと、やってられませんよね。)
でも後ろの方の紙は
どうしても印字が薄くなってしまうそうなんですね。
やっぱり濃く写っている一番手前のやつを
裁判所に見てもらいたいじゃないですか。
ではあとは?

また、
和文タイプでの文書作成は
1文字探すのにもそれなりの手間がかかるから
ものすごく時間がかかる作業だったらしい。
なので、タイプ自体は完全な清書用で
草稿は終わってるっていう前提だったようです。
(これは法律事務に限らず、
当時の事務作業一般に言えることらしい。)
「起案」って「イチから文章を組み立てる」ってニュアンスがあるから、
和文タイプでの打ち込みは純粋な「起案」とは言えないかもね。
また、急ぐ作業はやっぱり手書きしていたみたい。

これで、起案は分かった。
ただ、書証はどうやって提出していたのか
という点が気になります。
なにしろコピー機がないわけやからね。
片っ端から原本を裁判所に提出してしまって、
手元に何も残らないってのも不安ですし。
そこで、登場するのが…

謄写館は現在でこそ、
刑事記録や送付嘱託等で取り寄せられた文書の
複写を中心的な業務としていますが、
当時は、当事者の提出する書証等の複写作成の
業務も行っていたようです。
例えば、金銭消費貸借契約書や
当事者間の覚書などを証拠で出す場合、
謄写館に頼んで手書きで複製を作ってもらい
「右、原本を正写致しました。」的な
文言を書き添えます。
(今もそのような文言の判子を使ってる
先生がいるけど、
それも当時の名残なんだとか。)
それを裁判所に原本と一緒に提示し、
複製(写し)を裁判所に提出するという扱い
をとっていたということなのでしょう。

ここでようやく、皆さんが法学部の1回生で学んだ
「起案の大革命」に話が繋がるというわけです。
※記憶に無いとすれば
あなたがまじめに授業を受けていなかったということです。
なお、証拠物については
それを写した写真を提出することが多かったようで、
この点は今とあんまり変わりませんね。
また、聞くところによると、
起案や証拠作成以外にも
今の弁護士業務と違った苦労は
たくさんあったようです。
例えば、電話会議のような方法が
制度やシステムとして設けられていなかったので、
原則として、期日のごとに遠方の裁判所まで
出ていかないといけないという状態だったそうです。

「最初の2~3回は旅行気分で行けるけど、
それが続くとしんどなってくるで。」と(重鎮の先生談)。
それから、司法試験で忘れてはいけないこと。

2度や3度落ちても
気に病むことはありません(^^)/
以上が私が中途半端に調べた
昔の弁護士業務の概要です。
現代に生きる我々としても、
多くの先輩方が、今に比べて
限られた機器や制度、時間の中で
熱心に業務に取り組まれていたことを
心にとめておく必要がありますね。


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このブログの更新もままなりません。
こう書くとめっちゃ儲かってるように聞こえるでしょ?
でもそんなことないのよ本当に。
とはいえ、年末が近づくと
なぜか経費支出が多くなるのは自営業者の常。
で、私は今、
持って歩く用のパソコンを買いたいなと思い
いろいろ考えているところでございます。

今のところの候補は
Let's noteとかSurface Pro 4とかなんだけど
欲しい機能や譲れないポイントを考えてると
堂々巡りで話が前に進みません。
和解の提案受けた当事者って
多分こんな感じなんだろうね。

何かを買う前にこういう感じで
いろいろ悩むのが楽しいって人も
いるんだろうけど、
私には苦痛でしかありません。
遠足の前の日の用意とかも
面倒で楽しくなかった私ですから。
「これを買え!」って
誰かに指定してもらえたらラクなんだけど。

「スペック厨」という言葉は
私のためにあるようなものです。
集めた情報の確度や
自分の取捨選択に自信が持てない
情報弱者な上、損をするのが嫌いなため、
「買った後で、『もう一つ上のグレードに
しといたら良かった』と後悔すること」を
何より恐れているのです。
そのため、CPUの種類や
メモリ・補助記憶装置の容量、
重さ、大きさなど
数字で表れる部分は
一番いいやつに飛びついてしまう
悲しい習性があるのですね。
ここでは、「実際にそれだけのスペックを
求められる場面が出てくるか」ではなく、
「万一求められたらどうしよう」という視点が重要です。
でも、そうなるとどうしても
…お値段張りますやんか。

正直、1回か2回落としたら壊れるものに
30万円以上も掛けるのは
私個人の信条に思いっきり反するので、
いま、すんでの所で購入を思いとどまっているところです。
(どうしても「30万も出したらそこそこいい
レスポールが買えるやないか」と思ってしまうのですね。)
高くて買えないとなると、
次にすることは、
買わないためのもっともらしい理由を
みつけることです。

さあ、(個人的に)楽しくなって参りました!

パソコン買うかどうかは別にして、
昔の弁護士がどうやって仕事してたのかってことは
非常に興味深いところですし、
我々現代の弁護士が知っておいて
絶対に損はありません(また、トクもありません。)。
(※なお、以下は、ブログのネタと個人的な興味のために
同じ会のある重鎮の先生
にうかがったお話をもとにしています。
不正確な部分があるとすればそれは、
全て中村個人の責任でありますが、まあ大目に見てください。)
まずここで想定しているのは、
ワープロやコピー機が登場する前の、
1960年代くらいの弁護士業務ね。
(ちなみに、司法行政文書や当事者の起案が
縦書きから横書きに変わったのは平成12年ころだったかな。
司法試験の本試が横書きに
変わったのが平成12年だったかも。
確かそれまでは私もL○Cで縦書きの答練受けてましたし。)
さすがに手書きはしてなかっただろうけど、
訴状や準備書面では当時も
正本、副本、控えが必要だったはず。
じゃあ、それらの起案はどうしてたのかという点です。
結論から言うと
当時は、タイプライターで起案していたんだけど、
日本語って仮名と漢字があるから、
普通の英文タイプライターじゃ作れないじゃないですか。
で、使っていたのが
「和文タイプライター」

これって、実際に使いそうな字が
1,000字以上活字体で用意されてて、
いちいちそれを目で選んで
紙に打ち込んでいく作業が
必要だったということです。
「瑕」とか「蓋」とか「愈」とかが
あったんだろうね。
想像するだけで目がチカチカしてきます。

この打ち込み作業は
事務員さんの重要な(というか中心的な)業務だったらしく、
弁護士が紙に手書きした原案をもとに
作っていってたようです。

ね?わくわくするでしょう?
しない?
俺はする。
紙と紙の間にカーボン紙を挟むことで、
一度に正、副、控えの3部を
打つことも出来たみたい。
(でないと、やってられませんよね。)
でも後ろの方の紙は
どうしても印字が薄くなってしまうそうなんですね。
やっぱり濃く写っている一番手前のやつを
裁判所に見てもらいたいじゃないですか。
ではあとは?

また、
和文タイプでの文書作成は
1文字探すのにもそれなりの手間がかかるから
ものすごく時間がかかる作業だったらしい。
なので、タイプ自体は完全な清書用で
草稿は終わってるっていう前提だったようです。
(これは法律事務に限らず、
当時の事務作業一般に言えることらしい。)
「起案」って「イチから文章を組み立てる」ってニュアンスがあるから、
和文タイプでの打ち込みは純粋な「起案」とは言えないかもね。
また、急ぐ作業はやっぱり手書きしていたみたい。

これで、起案は分かった。
ただ、書証はどうやって提出していたのか
という点が気になります。
なにしろコピー機がないわけやからね。
片っ端から原本を裁判所に提出してしまって、
手元に何も残らないってのも不安ですし。
そこで、登場するのが…

謄写館は現在でこそ、
刑事記録や送付嘱託等で取り寄せられた文書の
複写を中心的な業務としていますが、
当時は、当事者の提出する書証等の複写作成の
業務も行っていたようです。
例えば、金銭消費貸借契約書や
当事者間の覚書などを証拠で出す場合、
謄写館に頼んで手書きで複製を作ってもらい
「右、原本を正写致しました。」的な
文言を書き添えます。
(今もそのような文言の判子を使ってる
先生がいるけど、
それも当時の名残なんだとか。)
それを裁判所に原本と一緒に提示し、
複製(写し)を裁判所に提出するという扱い
をとっていたということなのでしょう。

ここでようやく、皆さんが法学部の1回生で学んだ
「起案の大革命」に話が繋がるというわけです。
※記憶に無いとすれば
あなたがまじめに授業を受けていなかったということです。
なお、証拠物については
それを写した写真を提出することが多かったようで、
この点は今とあんまり変わりませんね。
また、聞くところによると、
起案や証拠作成以外にも
今の弁護士業務と違った苦労は
たくさんあったようです。
例えば、電話会議のような方法が
制度やシステムとして設けられていなかったので、
原則として、期日のごとに遠方の裁判所まで
出ていかないといけないという状態だったそうです。

「最初の2~3回は旅行気分で行けるけど、
それが続くとしんどなってくるで。」と(重鎮の先生談)。
それから、司法試験で忘れてはいけないこと。

2度や3度落ちても
気に病むことはありません(^^)/
以上が私が中途半端に調べた
昔の弁護士業務の概要です。
現代に生きる我々としても、
多くの先輩方が、今に比べて
限られた機器や制度、時間の中で
熱心に業務に取り組まれていたことを
心にとめておく必要がありますね。


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