スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

かわいそうな被告人のおっちゃん

裁判所(本庁)に行くと1階ロビーにソファが組んであって
待ち合わせや簡単な打ち合わせができるスペースがあるんです。

で、こないだ、管財の集会期日までちょっと時間があったんで、
そこで座って記録を見直したりしてたんですが、
ロビーの大型テレビでずーっと流してる裁判員裁判のビデオが
どうしても目に入ってくるんですよね。

これは最高裁判所が作った
「あなたも参加する刑事裁判~裁判員制度が始まります~」
という名の来庁者向けのPRビデオで、
内容は架空の事件を題材に裁判員裁判の様子を説明するというもの。
(ドラマに出てくる法廷は、法壇に向かって右が検察官、左が被告人側なので、
神戸を含む多くの地方庁とは別の配置。多分東京地裁に合わせて作ったんだろうね。)

辰巳琢郎がナビゲーターで出ていたり、
勝野洋が裁判長を演じていたりと、
相応に金が掛かっている(んだろうなという)内容で、
それなりに面白いんですが、
地裁ロビーで熱心に見てるのは私くらいのもんです。

ちなみに、ストーリーは、ちょっとショボくれた感じを出した被告人のおじさんが、
うまく行ってなかった仕事のことをいわれてカッとなり
「てめえ、逃げるのか」などと言って
知り合いを果物ナイフで刺したというなんとも物騒な殺人未遂の事案。

検察官は眼鏡をかけた世紀末覇者みたいな、眉間に皺の寄った強面の中年男性。
情状証人は、これまた力のない奥さん。
被告人は申し訳なさ丸出しでそれなりに雰囲気が出ています。
ホントよく雰囲気出てる配役だと思います。

video02.jpg

で、以下ネタバレになりますが、
求刑は懲役8年と果物ナイフ没収のところ、
判決は懲役6年の実刑。それに未決算入20日でナイフ没収。

裁判所のロビーではこのわずか15分程度のビデオが朝から晩まで
無限ループ再生されているので、
仕事で裁判所に行く人は嫌でもその内容を覚えてしまいます。

ただ、このビデオをずーっと見ていると、
不思議なもので、何度も起訴されて
立たされて絞られている被告人のおっちゃんがだんだん不憫になってきます。
必ず、なってきます。

「あの人、また起訴されてる」と。

で、「このおっちゃんは何万回も起訴されて、
でも控訴も収監もされず、
永久に起訴と実刑判決を受け続ける運命なんだなぁ。
認めの事件なのに。気の毒」と思うようになります。
あと「毎回、同じこと言って反省が無い」とも。

例えば、1回15分として、
一日午前10時から午後5時まで8時間流すと一日32回、
一年で開庁日が240日として年間7,680回、それだけの回数
この被告人のおっちゃんは起訴され続けている訳です。

そして、恐ろしいことにこのビデオ、
平成21年5月の裁判員裁判開始前に作成されたものなのです。
(だから、タイトルも「裁判員制度が始まります」と謳ってある。)
平成20年からとして平成23年6月までと考えても3年半。
つまり起訴~実刑の回数は2万5000回を超えるわけだ。
いくら裁判自体は15分で終わるとしてもこれはイヤよね。

ということを考えていたら、
うまい具合に集会期日までのいい時間潰しになりました。

この裁判員裁判のPRビデオはネット上でも見られるので、
興味がある方は是非見て、
裁判員裁判の奥深さを目の当たりにするがいいですよ。
http://www.saibanin.courts.go.jp/


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。当職が出資したクラウドファンディングはたいてい頓挫します。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。