和解顔

最近、立て続けに和解の協議がありましてね。

弁論準備や証拠調べと違って
和解の際は双方同席ってことはむしろ少なくて、
原告と被告とが交代で準備室とか裁判官室に呼ばれ、
そこで裁判官と和解条件の話合いをします。

特に証拠調べ後の和解協議だと、
裁判官も心証を少しずつ開示して、
「判決になったら大体このラインになるよ」
ということを匂わせて和解の方向へ誘導してきます。
(これはある裁判官に聞いたことですが、
和解が成立した場合には裁判官は判決書かなくて済むそうです。)

ただ、あんまり心証を開示しすぎると
勝つ側の見込みの当事者は
「じゃ、和解じゃなくて判決で!」ってなってしまうんですね。
特に交通事故とかだと判決では延損も弁護士費用も
丸々乗ってくることになるので。

なので、裁判所は、
負けさせる側にはさほど躊躇なく
「あなた負けますよ。」と言うのですが、
勝たせる側には
「いやぁ、なかなか難しい事件ですねぇ。証拠も多いし。夏だし。カツオダシ」
というような、非常に持って回った
言い方しかしないことが多いように感じます。

このように、和解では裁判所と当事者との間で
結構な心理的駆け引きがあるのですが、
それは当事者同士でも同じことです。

つまり、負けそうな側としても、
準備室で裁判所から厳しい見通しを告げられたということは
極力相手方やその代理人には知られたくないわけです。
裁判官も自分寄りの心証だってわかったら、
相手方としては勢いづくからね。

また、たとえ相手方が準備室から出てくるなり
万歳三唱してシャンパン抜きだしたような場合であっても、
決してうろたえてはいけない的な風潮
法曹会には根強くあります。

なので、
和解協議の際は、できる限りポーカーフェイスで
相手に情報を与えないことが望ましい。

という理由から、
和解協議で待合室に待機しているときなどは、
私は、顔から一切の表情を消すようにしています。
一般的に、これを「和解顔」っていうらしいですね。
さっき思いついた言葉ですけど。

wakaigao.jpg

あと、誰が言い出したのか知らないけど、
「和解協議で先に呼ばれるのは負けさせられる側」
っていうことがまことしやかに言われておりまして、
私なんかは結構そういうの、気にする方です。

wakaikyougi.jpg

要するに、
負けさせる方(厳しい見通しの方)を
説得しないと和解が成立しようがないから、
先に感触を聞いておくっていうことが多いようなんだけど、
最初にどちらが呼ばれるかっていうのはどうしても気になります。

実際には、先に呼ばれても
勝訴したり勝訴的な和解で終わったりっていうケースは多いので、
全くアテにならないけどね。

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和解したいのにっ!

はじめまして。しぃたけです。

なぜか伝わらない、この切なさ。
2000万って、口にするだけで心象悪くなるとですか?
担当弁護士さんからの発言禁止オーラに負けて、金額は言えず。
本訴の方でも和解話があれば、その時こそドヤ顔で「2000万出すなら和解したるで」って、空気を読まずに発言しても、いいかなー?
空気って読む物じゃなくって、吸うものですし。おすし。
プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。自宅マンションに鳩が来るのが悩みです。

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