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【実録】岡口まつり

このあいだ書いていたように
このたび大阪弁護士会館で行われた
岡口基一裁判官によるシンポジウム、
「要件事実よ,どこへ行く」
パネリストとして参加して参りました。

このシンポは
大阪弁護士会の会派「法友倶楽部」が主催するもので
大阪弁護士会の会員の方にとっては研修の単位にもなるという
まじめな内容のもの。

そのようなものに
なぜ兵庫県から私が呼ばれたかというと
パネルディスカッションのパネラーとして、
コーディネーターの壇俊光先生から
一本釣りでお声がかかったからです。
ちょっと前に何度か岡口裁判官のFBで
このブログが取り上げられたりしたことが
結果的に良かったのかなって感じですかね。ヒヒッ。

で、シンポは第一部が岡口裁判官の基調講演で、
第二部が岡口裁判官、私、
それからテレビでおなじみの角田龍平弁護士をパネラーとした
パネルディスカッション「岡口基一よ,どこへ行く」
というものでした。

といっても、
もともと私は極度の人見知りで、かつアガリ症なため
おもしろがって引き受けたものの
シンポの一週間前からは
プレッシャーとローンの支払いの不安に悩まされ
ろくに眠れない状態が続いていました。
ちょっと事情があり、前期の税金を当初思ってたよりも
多く払わないといけなくなったのがここにきて効いてきた次第です。

panel.jpg

そんなこんなで当日、
少し早めに大阪弁護士会の会館に到着して控え室に参りますと、
そこで岡口裁判官と初対面となりました。
写真で拝見する通りの堂々たる体躯の持ち主で、
例のブログの記事を早めに謝っといた方がいいのかなとか
色々な思いが交錯致しましたが、
とりあえず主催者の方に用意していただいた
トンカツ弁当が美味しかったことだけは
触れておかねばなりません。

sign.jpg

初めてのことでやや緊張致しましたが、
ともあれ、無事に「要件事実マニュアル」に
裁判官のサインも頂け、13:30から基調講演がはじまりました。

koujin.jpg

講演の最初に、裁判官が今回「公人」として出席されていること、
そのためぶっちゃけたトークは難しいことの説明がありましたが、
それでも高まる会場の熱気は凄まじく、まさにあっという間の90分でした。

講演は、要件事実の概要のおさらいからはじまり、
現在の学説の状況や司法研修所の見解、
今後の要件事実教育の展望、
そして民法起草者の一人、梅謙次郎大先生の偉業など、
非常に充実した内容となりました。
講演の終わりには岡口裁判官ご自身が「次回」に言及されるなど、
今後に繋がる素敵な終わり方でした(いいなぁ、大阪弁護士会)。

普段、業務の中で要件事実をあまり意識しない私も、
研修所での講義を思い出し、つい頬を伝うものを
感じずにはいられませんでしたね。
また種々の見解の違いやそれらが生じる理由などについて
わかりやすく説明して頂けたので、
要件事実に対する理解も深まり、非常に良い刺激になりました。

でも口で説明できるかと言われると
全くできないけどね。
要件事実ってそんなに
生易しいものじゃないからね。

「今後の要件事実教育の担い手が誰になるのか」
というのが今回の基調講演の
重要なテーマの一つだったのですが、
「たぶん、俺じゃないんだろうな」という
確かな予感めいたものがありましたね。

yj.jpg

結局、要件事実ってさ、
「それぞれが心の中に大切にしまっておく
甘酸っぱい想い出」
的なところって無い?
無いか。そっか、残念。

ただ、主な見解の対立の理由の一つとして、
実体法の規範の理解に
どれだけ証明責任論を持ち込むかというのがあり、
その考え方によって主張責任や立証責任の
捉え方に差が出てくるということのようです(どこまでも曖昧な理解)。

そして第一部が終わると、
私の出番のパネルディスカッションが
はじまりました。

案の定、私はグッダグダでしたが、
角田先生や岡口裁判官、司会の壇先生の
助けもあってなんとか被害少なく終えることができました。
絵を描いたことで適当にお茶を濁せたような気がしなくもありません。

roman.jpg

角田先生は元漫才師という異色の経歴をお持ちのほか、
今もテレビなどのメディアでご活躍されているだけあって、
トークの拾い方や広げ方が本当に上手くて引き込まれました。
笑いってボケよりも冴えたツッコミのときに生まれるんですね( ´∀`)

それから、岡口裁判官の奥様とのなれそめや、
「要件事実マニュアル」というタイトルの由来・経緯、
「基一」というお名前の意味、
プロレス好きなことなど、いろいろなお話を聞けました。

終わってからは懇親会にも参加させていただいたのですが、
色々な方々と記念撮影させていただけるなど、
その日初めてお会いする先生方ばかりとは思えないほど
みなさん気さくな方で、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。

houyuu.jpg

今回の要件事実に関するシンポジウムは、
実際に始まるまでは不安しかなかったですが、
今後の私の弁護士人生にとって大きな力となるような気が致します。

onion.jpg

岡口裁判官、法友倶楽部をはじめとする
大阪弁護士会の先生方、本当にありがとうございましたm(_ _)m

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ありがとうございましたm(._.)m

中村先生のおもしろブログで、我が法友倶楽部の名前を宣伝していただき、また、研修の内容をばっちりまとめていただきまして、ほんとにありがとうございます!
あ、今法友倶楽部の臨時総会中でした、失礼しますm(._.)m

Re: ありがとうございましたm(._.)m

辻村先生!コメントありがとうございます( ´∀`)
こちらこそお世話になりました。
帰り、途中までご一緒させていただいた際のお話で、色々とした事前準備も大変だったとお聞きし、より一層感慨深く感じておった次第です。
私も月曜に会派の定例会兼忘年会でした(^^;;
皆様にもよろしくお伝えくださいませ。
それから、今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

No title

単なる一般人には難解な「法律」とその「制度」への興味を誘った「業績」は、この記事に表される中村先生の「センス」によって成されたのだな、と納得いたしました。やはり多種多様な「人間性」が尊重されることは、社会の成熟にとって必要不可欠で有ると再認識いたしました。ちなみに、岡口ジャッジのFacebookコメントによってこの記事に手繰り寄せられた事を申し上げておきます。
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神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。当職が出資したクラウドファンディングはたいてい頓挫します。

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