ノートパソコンと昔話

本業の仕事が忙しすぎて
このブログの更新もままなりません。

こう書くとめっちゃ儲かってるように聞こえるでしょ?
でもそんなことないのよ本当に。


とはいえ、年末が近づくと
なぜか経費支出が多くなるのは自営業者の常。

で、私は今、
持って歩く用のパソコンを買いたいなと思い
いろいろ考えているところでございます。



01pcrisou.png



今のところの候補は
Let's noteとかSurface Pro 4とかなんだけど
欲しい機能や譲れないポイントを考えてると
堂々巡りで話が前に進みません。

和解の提案受けた当事者って
多分こんな感じなんだろうね。



02wakaranai.png



何かを買う前にこういう感じで
いろいろ悩むのが楽しいって人も
いるんだろうけど、
私には苦痛でしかありません。
遠足の前の日の用意とかも
面倒で楽しくなかった私ですから。

「これを買え!」って
誰かに指定してもらえたらラクなんだけど。



03pcmonku.png



「スペック厨」という言葉は
私のためにあるようなものです。

集めた情報の確度や
自分の取捨選択に自信が持てない
情報弱者な上、損をするのが嫌いなため、
「買った後で、『もう一つ上のグレードに
しといたら良かった』と後悔すること」を
何より恐れている
のです。

そのため、CPUの種類や
メモリ・補助記憶装置の容量、
重さ、大きさなど
数字で表れる部分は
一番いいやつに飛びついてしまう
悲しい習性があるのですね。

ここでは、「実際にそれだけのスペックを
求められる場面が出てくるか」ではなく、
「万一求められたらどうしよう」という視点が重要です。

でも、そうなるとどうしても


…お値段張りますやんか。



04pcfute.png



正直、1回か2回落としたら壊れるものに
30万円以上も掛けるのは
私個人の信条に思いっきり反するので、
いま、すんでの所で購入を思いとどまっているところです。
(どうしても「30万も出したらそこそこいい
レスポールが買えるやないか」と思ってしまうのですね。)


高くて買えないとなると、
次にすることは、
買わないためのもっともらしい理由
みつけることです。



05gimon.png










さあ、(個人的に)楽しくなって参りました!













06pctimemachine.png



パソコン買うかどうかは別にして、
昔の弁護士がどうやって仕事してたのかってことは
非常に興味深いところですし、
我々現代の弁護士が知っておいて
絶対に損はありません(また、トクもありません。)。

(※なお、以下は、ブログのネタと個人的な興味のために
同じ会のある重鎮の先生
にうかがったお話をもとにしています。
不正確な部分があるとすればそれは、
全て中村個人の責任でありますが、まあ大目に見てください。)




まずここで想定しているのは、
ワープロやコピー機が登場する前の、
1960年代くらいの弁護士業務ね。
(ちなみに、司法行政文書や当事者の起案が
縦書きから横書きに変わったのは平成12年ころだったかな。
司法試験の本試が横書きに
変わったのが平成12年だったかも。
確かそれまでは私もL○Cで縦書きの答練受けてましたし。)



さすがに手書きはしてなかっただろうけど、
訴状や準備書面では当時も
正本、副本、控えが必要だったはず。
じゃあ、それらの起案はどうしてたのかという点です。




結論から言うと
当時は、タイプライターで起案していたんだけど、
日本語って仮名と漢字があるから、
普通の英文タイプライターじゃ作れないじゃないですか。

で、使っていたのが
「和文タイプライター」



07wabuntype.png



これって、実際に使いそうな字が
1,000字以上活字体で用意されてて、
いちいちそれを目で選んで
紙に打ち込んでいく作業が
必要だったということです。

「瑕」とか「蓋」とか「愈」とかが
あったんだろうね。
想像するだけで目がチカチカしてきます。



08typejyoshi.png



この打ち込み作業は
事務員さんの重要な(というか中心的な)業務だったらしく、
弁護士が紙に手書きした原案をもとに
作っていってたようです。





09sofa.png




ね?わくわくするでしょう?
しない?
俺はする。



紙と紙の間にカーボン紙を挟むことで、
一度に正、副、控えの3部を
打つことも出来たみたい。
(でないと、やってられませんよね。)

でも後ろの方の紙は
どうしても印字が薄くなってしまうそうなんですね。
やっぱり濃く写っている一番手前のやつを
裁判所に見てもらいたいじゃないですか。


ではあとは?


10fukusya.png



また、
和文タイプでの文書作成は
1文字探すのにもそれなりの手間がかかるから
ものすごく時間がかかる作業だったらしい。
なので、タイプ自体は完全な清書用
草稿は終わってるっていう前提だったようです。
(これは法律事務に限らず、
当時の事務作業一般に言えることらしい。)


「起案」って「イチから文章を組み立てる」ってニュアンスがあるから、
和文タイプでの打ち込みは純粋な「起案」とは言えないかもね。


また、急ぐ作業はやっぱり手書きしていたみたい。



11hozen.png



これで、起案は分かった。



ただ、書証はどうやって提出していたのか
という点が気になります。
なにしろコピー機がないわけやからね。

片っ端から原本を裁判所に提出してしまって、
手元に何も残らないってのも不安ですし。

そこで、登場するのが…



12tousyakan.png



謄写館は現在でこそ、
刑事記録や送付嘱託等で取り寄せられた文書の
複写を中心的な業務としていますが、
当時は、当事者の提出する書証等の複写作成の
業務も行っていたようです。

例えば、金銭消費貸借契約書や
当事者間の覚書などを証拠で出す場合、
謄写館に頼んで手書きで複製を作ってもらい
「右、原本を正写致しました。」的な
文言を書き添えます。
(今もそのような文言の判子を使ってる
先生がいるけど、
それも当時の名残なんだとか。)

それを裁判所に原本と一緒に提示し、
複製(写し)を裁判所に提出するという扱い
をとっていたということなのでしょう。




13sissiki.png




ここでようやく、皆さんが法学部の1回生で学んだ
「起案の大革命」に話が繋がるというわけです。
※記憶に無いとすれば
あなたがまじめに授業を受けていなかったということです。


なお、証拠物については
それを写した写真を提出することが多かったようで、
この点は今とあんまり変わりませんね。



また、聞くところによると、
起案や証拠作成以外にも
今の弁護士業務と違った苦労は
たくさんあったようです。


例えば、電話会議のような方法が
制度やシステムとして設けられていなかったので、
原則として、期日のごとに遠方の裁判所まで
出ていかないといけない
という状態だったそうです。



14benjyun.png



「最初の2~3回は旅行気分で行けるけど、
それが続くとしんどなってくるで。」
と(重鎮の先生談)。



それから、司法試験で忘れてはいけないこと。




15jyuurou.png



2度や3度落ちても
気に病むことはありません(^^)/


以上が私が中途半端に調べた
昔の弁護士業務の概要です。

現代に生きる我々としても、
多くの先輩方が、今に比べて
限られた機器や制度、時間の中で
熱心に業務に取り組まれていたこと

心にとめておく必要がありますね。




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長老たちとの会話

パワポの資料についてJAXAの長老に
「最近のトラペンは、簡単に直せていいねぇ」
と言われた記憶を思い出しました。

Re: 長老たちとの会話

トラペンっていわゆるOHPシートのことでしょうか( ´∀`)
小学校でも大活躍してましたね。
そういう点の編集のしやすさで
伝わりやすくなった点は
技術革新の大きな成果ですね(`・ω・´)

No title

書証の原本確認なんて何のためにやってるんだかと常々思ってましたが
書写で写しを作成してた時代の名残なんですね。
縦書き起案懐かしいです。

判例検索

いつも楽しく拝見しております!

私もS弁護士会の元会長からパソコンやコピー機が無い時代のお話を聴き、目を丸くした経験があります。
昔は紙媒体の分厚い判例集を用いて地道に裁判例のリサーチをされていたらしく、リサーチに膨大な時間がかかっていたそうです(°_°)

先人の苦労と文明の利器に感謝しつつ、明後日から始まる修習に専念したいと思います( ^ω^ )

Re: No title

縦書きから横書きになってすごく読みやすく書きやすくなったなぁと平成12年に実感したのを思い出しました( ´∀`)
人間の目が横に並んでるのでやっぱり横書きの方が合理的だと思うんですよね。紙の六法は今でも縦書きですが、ウェブで見る横書きの方がわかりやすいような気がします(^ω^)

Re: 判例検索

修習前の貴重な時間にありがとうございます( ^∀^)
そうですよね、頭に無かったですが昔は判例検索っていうシステム自体が無かったんですよね。
それでも我々が登録した頃は「裁判官は判例、裁判例を知っているって前提だから、判例・裁判例のコピーを証拠で出すのは失礼にあたるのですべきではない」と言う先生もおられました。
良い時代になったとも言えますね( ´∀`)

温故知新

「私が毎日持って歩く書類鞄の中に必ず入っていたものは、裁判所に提出する訴状や保全処分の申立書を書く為の薄手の用紙、カーボン紙、下敷き、鉛筆、それから和紙の紙撚(こより)でした。」
http://www.noandt.com/summary/kakigara/4.html
隔世の感とは、まさにこのことですね。

ただ、情報・通信技術の発達は、確実に弁護士の労働環境の悪化に寄与していると思います。。

なお、個人的には、SSD搭載のレッツノートであれば、その他のスペックはそんなに拘る必要はないと思います(Corei5で十分です。)。

Re: 温故知新

素敵な名前ですね( ´∀`)

紙縒がなぜ?と思いましたが、
出先で作った書類を綴じるためだったんですね。
迫真性のある面白いエッセイでした(`・ω・´)

結局パソコンの購入は見合わせて、
代わりに変なデバイスを買ってしまいました(^^;;

おおう

つーか弁護士業務にcore7iとかメモリ32GBとか絶対イラねぇっすw。
写真編集しまくってる私でも16GBで十分だお。32GBとかぜったいイラスト用でしょw。

Re: おおう

先生ありがとうございます( ´∀`)
私も扱うのはサイズの小さいイラストで、
高度なフィルター使ったり
レンダリングしたりとかではないので
実際にはそんなにメモリいらないとは
頭ではわかってるんですよね( ^∀^)
昔は「メモリは驚異の256MB‼︎」とかって売られてましたよね。

No title

面白かったです

あと、通りすがいきんさんのコメントですが
書証の原本確認は大事だと思いますよ。

書面ひとつとっても原本の質感とか、劣化具合とかから
本当に当時作成されていたかどうか判断出来ることありますし、
原本を提出しない、となれば何故か、と追及できたりしますので。

コピーだと、例えば後からワードを使って
契約書の余白に文言を書き加えたりしててもわからないのですが、
原本を見るとインクの感じがはっきり違ったりします。

Re: No title

時々、あるはずの原本の提示がない(できない)
という不気味な書証の提出があったりとかしますね(^^;;

私が衝撃だったのは、
書証の写しを手書きで見よう見まねで
似せて作ってた時代があるということ。
そういうの見ても、
ご指摘の偽造の可能性とか
判断つきませんもんね( ;´Д`)

昔の裁判が時間かかっていたというのが
なんかわかる気もします( ´∀`)

個人的にはlet's noteをお勧めしたい。
決して回し者ではないが、購入したら人生変わりました。
実物を見ることをお勧めしますが、かなり持ち運びも楽ですし、キーボードのサイズも悪くないです。
ちなみに、法人として購入する場合、番号の最後にSがつきますが、購入後にlet's noteのサイトで保証期間を延長することができます。
いつも楽しみに拝読しているので、let's noteで空き時間にブログ更新してください!

起案の大革命

そうです。

トラペンとはOHPです。

返事が遅くすみません。

そして、カノッサの屈辱を読み落としました。

論点落としで減点ですか?

Re: 起案の大革命

いえいえ、何をおっしゃいますやら( ´∀`)
メリークリスマス*\(^o^)/*

そういえば最近、
パワーポイントの使用を禁止にする会社が
出てきてるとかニュースに出てましたね。
プレゼン能力がそただないからだとかなんとか。
使えない私にはあんまり関係ありませんが(・∀・)ニヤニヤ
プロフィール

弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。自宅マンションに鳩が来るのが悩みです。

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