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民事尋問の戦略

こんにちは。

地域ぐるみはいい意味で,
組織ぐるみは悪い意味

弁護士中村真です。




担当しているロースクールの授業で
毎年,模擬裁判をやるのですが,
尋問に熱心に取り組む
学生さんの姿を目にするたび
いつも同じ思いにとらわれます。


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手続法の理解が追いついていないのと,
尋問を行う意味,立証上の位置づけについて
まだリアルに捉えられていないのとで,
質問の組み立てや投げかけ方が
荒削りで,改善の余地が沢山あります。


模擬裁判自体,
まだほとんど実務に触れていない
ロースクール生に
尋問の難しさに気付いてもらい,
同時に改善点を浮き上がらせるために
行っているので,
まさに講師として
期待しているとおりの結果です。


アドバイスの内容も
事実の拾い方や証拠評価など
実質面について2割
質問の構成や実践,
異議対応を含めた
法廷での立ち居振る舞い方等の
形式面について8割という感じです。




jinmon02(1).png





そして,この8割を占める
形式面での課題は
どの年も概ね共通しており,
「毎年同じことを指摘しているな」
という感じです。




同じことは選択型実務修習で行われる
交互尋問演習にも当てはまるのですが,
さて,我々実務家はどうかと
立ち止まって考えてみました。




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はたして自分はどうであったろうか,と
私は自分の
「最初の民事尋問期日」
の記憶を呼び覚ましてみました。




(※左から右へ(⇒)読んでください。)
blogpicture(1)s.png










jinmonimage02.png













すまない、結局、また
本の宣伝なんだ。







民事尋問は,
修習が終わって実務に出ると
すぐに直面する業務ですが,
それまでに得られる研鑽の機会は
十分とは言えません。


また,個々の案件の争点や
出されている主張・証拠に照らした
スパンの長い準備,実践が求められるため
イソ弁であっても,ボスや先輩から
適切で十分な指導を受けくい
という特徴があります。


加えて,日々事件処理に追われていると
事件の相手方くらいしか
他の人のやり方を目にする機会がありません。
(それに,尋問前に和解で落ちる事件の多さが
拍車をかけています。)


また,尋問は,事件のスジや起案と違って
事案の帰結との因果関係が分かりにくいため
改善が必要という意識も持ちにくくなります。


結局,尋問は
自分がそれまでやってきた方法を
正しいと信じて続けてしまう傾向が強く,
それが適切でない方法であったとしても
改善のきっかけがないということがほとんど
です。



この『若手法律家のための民事尋問戦略』では,
以下の点に力を入れています。



まず1つ目として,
その意義や一連の手続の構造を理解するため,
尋問手続を規律する重要な民訴法,民訴規則のルールを整理し,
分かりやすく説明
することを心掛けました。


二つ目は,
色々な人が色々なやり方をしている部分
(尋問準備や期日の現場対応など)について,
思い切って,最も合理的かつ実践的と考える取り組み方
提示しています。
そこでは,「戦略」のみならず「戦術」的なことがら,
すなわち現場で実行することを前提とした
尋問技術についても触れています。


そして三つ目は,
弾劾証拠の扱い,異議の根拠と対応,尋問と鑑定人質問の異同など,
若手が疑問や引っかかりを感じるものの,
これまで類書であまり取り上げられなかった事項
について,
考え方・実践的な対応の両面から掘り下げるように努めました。



販売価格は
定価=本体3,200円+税で,
発刊時期(各地書店さんの店頭に並ぶ時期)は,
10月10日(配本日)から1週間程度を予定しております。

店頭での展開は,地域や店舗によってばらつきがあるので
すぐ入手していただくには予約がおススメです。






あなたという土壌に
民事尋問技術の根を張るための
確かな一冊になるはずです。



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なお,参考までに
書籍の目次部分を以下に掲載致します。
興味を持たれた方は是非(^o^)

【目次】

はしがき
凡例
Introduction
 -本書における記載上のルール等


第1章 民事尋問の基礎知識  
1 尋問はなぜ失敗するのか? 
(1)あなたの尋問、大丈夫?
(2)尋問の失敗は2つのパターンがある
2 尋問の目的と対象者
(1)尋問の目的
(2)尋問の対象者
3 重要度別!尋問のルール
(1)まずは型から入るべし
(2)質問はできる限り、個別的かつ具体的に 
(3)「してはならない」質問がある
(4)文書等を利用する場合にはルールがある
(5)証人・当事者・傍聴人の在廷と退廷
4 NG質問の一覧
(1)証人を侮辱し、又は困惑させる質問
(2)誘導尋問
(3)既にした質問と重複する質問
(4)争点に関係のない質問
(5)意見の陳述を求める質問
(6)直接経験していない事実についての質問
(7)誤導質問
5 尋問に文書等を利用する場合
(1)文書等を利用する場合のルール
(2)未提出の文書等を示す場合の注意点
(3)文書等の示し方の配慮
6 法廷での立ち居振る舞い
(1)ルールがなくとも、守りたいことがある
(2)はっきりと明瞭に、落ち着いて
(3)質問の前に必ず立場と氏名を言う
(4)あいまいな表現は使わず使わせず
(5)質問は必ず明確な疑問文の形で
(6)相手方の尋問中は必ずメモをとる
(7)証拠物等を示されたときは証言台まで必ず行く
(8)不必要に証言台に近寄るな
(9)示す証拠はきちんと整理しておく
(10)法廷や証人等に敬意を払うこと
 Column1 尋問時の証人・当事者等の服装などについて

第2章 陳述書
1 陳述書とは
(1)陳述書が生まれたわけ(沿革)
(2)陳述書の機能
2 陳述書はこう書くべし
(1)いつ出すべきか
(2)どこまで書くべきか
(3)どのように書くべきか
(4)どれくらい代理人が手を入れるべきか
Column2 「そんなこと陳述書に書いてないじゃないか!」

第3章 主尋問
1 主尋問の目的と到達すべき点
(1)目的と到達点を見定めよ
(2)立証すべき事項を訊くために
(3)「成功」に到達すべく精進せよ
2 主尋問の申請~採否までの注意点
(1)主尋問準備の重要性
(2)そもそも誰を申請するか
(3)尋問時間は何分とするか
(4)尋問事項書の作り方
(5)「呼出」と「同行」の使い分け
(6)尋問の順序はどう考えるべきか
(7)証人の一括申出
3 尋問の手控えの作成
(1)手控え作成ノススメ
(2)マコツ流!尋問の手控えの作り方
【資料】尋問の手控えの例
4 時系列一覧表の作成
(1)時系列一覧表の役割
(2)事実関係の整理のために役立つケース
(3)反対尋問の糸口を探すために役立つケース
(4)マコツ流!時系列一覧表の作り方
【資料】時系列一覧表の例
5 尋問テスト -リハーサルはこうやる!
(1)尋問テストの目的と注意点
(2)行う時期・回数・時間
(3)手控えを事前に証人等に渡す?
(4)尋問テストの当日は
【資料】本人に渡す用「尋問注意事項メモ」
6 主尋問の具体的なテクニック
(1)質問は短く端的に
(2)相槌は不要、オウム返しはしない
(3)証拠引用の際は証拠番号と標目、箇所まで
(4)敬語の使用にご用心
(5)指示語・ジェスチャー・固有名詞は具体化せよ
(6)反対尋問時に動揺を顔に出さない
7 ダメな主尋問
(1)具体例からぶった斬ろうのコーナー
(2)朗読・宣言・スピーチ型の冗長な質問
(3)誘導の使い方がまずい質問
(4)準備書面や陳述書をなぞるだけの尋問
(5)証人・本人に現場で書かせる尋問
(6)時間を守らない尋問
(7)「最後に言いたいことはありますか」
8 相手方の立場から見た異議の出し方
(1)ボーッと聞いてる場合じゃない!
(2)個別具体的でない質問に対して
(3)侮辱・困惑させる質問に対して
(4)誘導質問に対して
Column3 反対尋問を想定した主尋問対策を

第4章 反対尋問 
1 反対尋問の目的と到達すべき点
(1)立証上の位置付け
(2)裁判所はどう見ているか
(3)反対尋問と最終準備書面の主張の使い分け
2 反対尋問の準備
(1)反対尋問準備の重要性
(2)証拠採否時の注意点
(3)尋問の手控え・時系列一覧表の作成
【資料】反対尋問の手控えの例
3 反対尋問のための「読み」を磨け
(1)主尋問の深さを読め
(2)相手方の自己認識の内容を読む
(3)主尋問の間の準備
4 反対尋問のテクニック
(1)どのような形で切り込むべき事案か?
(2)「押すか引くか」の現場判断
(3)反対尋問は追い込み漁だ
(4)介入尋問のリスクを下げる工夫を
(5)反対尋問でとるべき態度
5 ダメな反対尋問
(1)反対尋問に特有のダメさ
(2)事前準備が不十分な尋問
(3)答えを想定していない質問
(4)「では次に〇〇について訊きます」という質問
(5)ぬりかべ尋問
(6)ダメ押し尋問
(7)及び腰の尋問
(8)議論してしまう尋問
(9)狼狽を見せる尋問
6 弾劾証拠はこう使え
(1)弾劾証拠とは
(2)事例に見る弾劾証拠の使い方
(3)弾劾証拠使用上の注意
Column4 反対尋問を行わないという選択はアリか

第5章 異議の出し方と対応
1 「異議とは何か」説明できる?
(1)まず「異議」とは何かを正しくおさえる
(2)「尋問に関して問題となる異議」
(3)「尋問に関して問題となる異議」のまとめ
2 「質問に対する異議」の目的・効用
(1)不適切な質問を、正しい流れに戻す
(2)ほか、異議の副次的効果
3 「質問に対する異議」の出し方
(1)必ず証人等が問いに答える前に出すこと
(2)明確に異議の根拠を指摘すること
(3)異議を出すべきか否かを常に考えながら臨む
(4)尋問の現場で問題となる異議の整理
4 「質問に対する異議」を出されたら?
(1)必ず裁判所を通してやりとりを行う
(2)何でもかんでもすぐに撤回しない
5 陳述書にない答えへの「異議」
(1)不意打ちの防止は是とされるか
(2)裁判長の判断はいかに
【資料】尋問で問題となる異議一覧表
Column5 特別な意味をもつ言葉に注意
  
第6章 補充尋問・介入尋問
1 補充尋問とのつきあい方
(1)補充尋問とは何か
(2)補充尋問の類型
(3)補充尋問は代理人泣かせ
(4)補充尋問を異議で阻止できる?
(5)仕事ぶりで裁判官の信頼を得よ
2 介入尋問とのつきあい方
(1)介入尋問とは何か
(2)補充尋問との違い
(3)介入尋問がなされる場面
(4)当事者等による介入尋問
Column6 補充尋問・介入尋問の受け止め方

第7章 鑑定人質問
1 鑑定人質問とは
(1)鑑定人質問を理解しよう
(2)そもそも「鑑定」とは
(3)鑑定の実施方法
(4)鑑定に似た鑑定の嘱託
2 鑑定人質問と尋問の違い
(1)鑑定制度の背景と手続の構造
(2)なぜ鑑定人「尋問」ではなく「質問」?
3 鑑定人質問で留意すべきこと
(1)留意すべき法令上の規定
(2)鑑定人質問に望む当事者のあり方
Column7 「尋問=会話という誤解」

第8章 尋問後
1 最終準備書面、書く?書かない?
(1)最終準備書面についての考え方
(2)最終準備書面を書いたほうがよいケース
(3)最終準備書面を書かなくてよいケース
(4)最終準備書面で気をつけておくべきこと
2 尋問の自己評価とさらなる研鑽
(1)尋問の道は平坦ならず
(2)実践、実践、実践あるのみ
Column8 回せ尋問のPDCA

事項索引

あとがきにかえて ―この本ができたわけ





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弁護士中村真

Author:弁護士中村真
神戸の弁護士・中村真(なかむら・まこと)のBLOGです。
かつては複雑な法律問題などをわかりやすい絵で親切に解説しているつもりでしたが、最近はそうでもないです。当職が出資したクラウドファンディングはたいてい頓挫します。

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