【役立つ!】物損事故(物件事故)の場合の事故状況の把握

物損だけが生じている事故(物件事故)の場合、
自動車運転過失致死傷罪違反(刑法211条2項)等での立件がなされないため、
原則として「刑事記録」というものも表には出てこない。
(資料が全く無いはずはないが、照会しても「不見当」となる。)

つまり、物件事故では実況見分調書のような
第三者が関与して作成した事故状況に関する資料が出てこないので、
やむを得ず保険会社(の依頼した調査会社)が作成した
事故状況報告書等をもとに事故の状況把握や立証をしていかないといけない。
(一方当事者の作成した資料なのでその証明力には自ずから限界が有る。)

もっとも、実況見分調書ほどメジャーでは無いけれど、
物件事故の場合であっても、
警察が事故の状況や当事者の聞き取りをもとに作成した
「物件事故報告書」というものがあって、
これは証拠として利用することができる。
(訴訟で証拠として出てくることはほとんどないけど。)

その取り寄せは、弁護士照会(弁護士法23条の2)によることになる。

ところが、この「物件事故報告書」は
「A4の用紙1枚に事故証明の日時・場所・当事者・事故類型欄が切り抜き貼付され、
その下に7cm×8.5cmほどの大きさの『略図』が加えられているだけ」

という、極めて簡略なもの。
(しかも、標題も書かれてないので「物件事故報告書」ってのも
正式な名称じゃないのかもしれない。どうでもいいけど。)

bukken.jpg

なので、この「物件事故報告書」を
事故発生状況の詳細を立証する資料とすることは難しい

(「物件事故報告書」がマイナーなのはこのためだと思う。)

もっとも、簡略なものではあれ、
当事者から聞き取った事故状況をもとに略図が作成されているため、
「被告の主張は事故直後の説明と矛盾している」っていう形での
証拠利用は十分可能だし、うちが取り寄せたのもそのようなケースだった。

こと物件事故に関しては、
実況見分調書のような第三者作成の資料が出てこないことから、
訴訟の段階で当事者が実際の事故状況と異なる主張をすることが多くなる。
そのため、弾劾証拠としての利用という点にこそ
「物件事故報告書」というものの「使いで」があると思っている。

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